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ANDPAD AWARD 2023 授賞式 開催レポート

建設DXを推進する先駆者たちが全国から集結! 熱狂に包まれた一日限りの祭典

目次

  1. 建設DXを推進するトップユーザーたちによる祭典が、いよいよ開幕
  2. 「DXカンパニー部門」受賞企業の発表
  3. DXカンパニー大賞5社による、注目の決勝プレゼン
  4. 「ユーザー部門」10部門の受賞者を発表
  5. 特別講演「ANDPAD ZEROから届ける最新事例」「宗重商店の震災時でのANDPADの活用」
  6. ユーザー投票によるONE賞の発表。そして最優秀賞が決定!
  7. 建設DXの最前線の皆様を、これからも後押ししていくために

2024年6月7日、ANDPADのユーザーコミュニティの祭典である「ANDPAD AWARD 2023」の授賞式が開催されました。ANDPAD AWARDは、ANDPADをご利用になる企業やユーザーの中から、特に優れたDX推進を実現した企業や個人を表彰するイベントです。

昨年からさらに参加者が増え、会場には総勢201名のANDPADユーザーとアンドパッドの社員、関係者が集合。加えてリアルタイムのライブ配信も実施し、100名を超える方がオンラインで参加しました。

今年で3年目となる、ANDPAD AWARD。新たな試みとして、DXカンパニー部門の大賞5社による「決勝プレゼン」を実施し、最優秀賞を選出。さらに、2本の特別講演が設けられました。同志たちの健闘を見届けあうような和やかな雰囲気の中、DXの確かな熱量を感じさせた授賞式当日の様子をお届けします。

 

建設DXを推進するトップユーザーたちによる祭典が、いよいよ開幕

2回目のオフライン開催となった今回。入賞者たちを紹介するオープニングムービーに続き、司会者2人による進行がスタート。5名の特別審査員の紹介に続いて、アンドパッド代表・稲田が登壇。AWARD開催への意気込みや、この賞に込める意義を語りました。

「DXに取り組む皆様にスポットライトを当て、受賞企業の方々により良い機会を提供していくということが、ANDPAD AWARDの趣旨です。昨年の受賞企業、受賞ユーザーの方々には、DXの取り組みについてキー局のテレビ番組に取り上げられた企業様もありました。また、AWARDのロゴマークを名刺やHPに載せている企業様からは、お施主様やオーナー様からの信頼に繋がっているというご報告もあり、甚句に絶えません。本日もまた、この授賞式の場で新しい機会や出会いが生まれることを、大変楽しみに思っています」(稲田)

さらなる近況報告として、政策提言の取り組みについて岸田総理から建設DXを推進するツールとして推薦と奨励の言葉をいただいたことがありました。またスピーチの終盤には、ANDPAD VIETNAMのムービーも紹介。海外拠点として、アジアの建築・建設関係者たちと開発を進めているベトナム支社のメンバーたちが、これからのアンドパッドの可能性について、賑やかに声を寄せました。

「二人きりで始めた事業が、今や行政の長にも認知され、海外拠点も構えられたというのは感無量でもあります。当社の理念『幸せを築く人を、幸せに。』という言葉は、建設業に携わる皆様がより働きやすく、そして業界全体の発展に貢献していきたい、という想いそのものです。その実現のために建設業界のDXの成果が増えていくことを願って、今年もAWARDを開催しています」(稲田)


「DXカンパニー部門」受賞企業の発表

さあ、ここからが授賞式の本番です。まずは、「DXカンパニー部門」から。DXカンパニー部門は、ANDPADの運用・浸透を通じて、日夜業務プロセスの改善を重ね、目覚ましい成果を上げている企業に贈られます。「住宅×売上10億円未満」「住宅×売上10億円以上」「専門工事×売上10億円未満」「専門工事×売上10億円以上」「ゼネコン・サブコン」の5つのカテゴリーに3社ずつが入賞し、そのうちの1社が各部門のカテゴリ大賞に選ばれました。

まずは、「住宅×売上10億円未満」カテゴリから。入賞は、地元密着の企業として「小回り」の利く自社職人の稼働の最適化にDXを活用した住まいる高知株式会社様、ANDPADでリモートワーク可能な環境を構築し採用の新たな可能性を切り開かれた株式会社兵恵建設様。カテゴリ大賞は、鈴木建設株式会社様です。

審査員を代表して、株式会社新建新聞社 代表取締役社長/新建ハウジング発行人の三浦祐成氏より、選出の経緯をお話しいただきました。

「鈴木建設さんは、検査機能を使った現場美化への取り組みがユニークでした。その取り組みによってお客様が喜ばれ、感謝の言葉をいただき、紹介が生まれ、そして売り上げに繋がる。さらに社員のモチベーションが上がっていく。課題改善と進化、それから社内の体験価値の向上、そのプロセスの全てにANDPADが寄り添って、企業の進化に貢献をされている。本当に素敵なサクセスストーリーだと感じ、大賞に選ばせていただきました」(三浦氏)


続いて、「住宅×売上10億円以上」カテゴリの発表。入賞は、社内外に歩み寄ったDXで生産性、事業改善性を大きくあげられた株式会社フジケン様、働き方や人材活用のあり方などの様々な課題に真摯に向き合ったリストホームズ株式会社様。カテゴリ大賞は、株式会社Lib Work様です。

u.company株式会社・代表取締役の内山博文氏は、「当部門に共通するのは、事業において多くのステークホルダーを抱えているという壁。それを乗り越えた3社を素晴らしく思います」と話します。

「Lib Workさんは、DXへの強い決意をもって、現場の方々からのボトムアップのかたちで実現された点、そして業界として厳しい状況のなかで業績を伸ばされている点がポイントになりました。ANDPADに限らず、幅広い局面でのDXも実施されており、そのひとつの結果ではないかと感じた次第です」(内山氏)


そして続くは「専門工事×売上10億円未満」カテゴリ。入賞は、ANDPADボードを活用して自社の強みを伸ばすDXに取り組まれた株式会社小川防災様、ANDPADの活用にインセンティブ設計を設けて運用浸透に取り組まれた株式会社マルコ様。カテゴリ大賞は、株式会社IPS様です。

株式会社桐井製作所 代表取締役/公益財団法人KIRII財団 代表理事の桐井隆氏は「ハードな決断だった」と審査を振り返りました。

「応募企業の皆さんが非常に高いレベルでDXに取り組んでいると感じました。そんな皆様が業界を底上げしていってくれるのではないかと、頼もしい想いです。大賞のIPSさんは、売上高を倍増させながら職人さんの週休2日を実現されました。大きな成果を両立させている点を高く評価させていただきました」(桐井氏)


続いて、「専門工事×売上10億円以上」カテゴリの発表。入賞は、社員が働きやすい環境を構築しながら生産性を高めたリフェコ株式会社様、水力発電の全てのセンターでANDPADを大規模に導入、その普及に尽力された関西電力株式会社様。カテゴリ大賞は、株式会社宗重商店様です。

審査の経緯を話すのは、芝浦工業大学 建築学部建築学科の教授の蟹澤宏剛氏です。

「DXで生産性の向上を目指すには、古くからの固定観念や業界独特の常識というところから変えていかないといけません。そういう意味で、どの取り組みも非常に優れたものでした。大賞の宗重商店さんの取り組みを印象づけたのが、それまで毎日欠かさず行っていた『夕礼』の撤廃。残業時間を削減しつつ、会社にとって前向きな活動のための時間に生かされている。まさに2024年問題の手本にもなる事例だと感じました」(蟹澤氏)


最後は「ゼネコン・サブコン」カテゴリです。入賞は、「管理=紙」という施工管理者にとっての常識を打ち破り業務効率化とペーパーレスを推進した東邦ガスライフソリューションズ株式会社様、現場の感覚に寄り添ったDXで技術者の皆様の働きやすさを実現した東海イーシー株式会社様。カテゴリ大賞は、株式会社野本電設工業様です。

東京大学建築情報学研究室 特任教授の池田靖史氏は、大賞の決め手は「到達点ではなく、ジャンプ力!」と話します。

「普段の業務をこなすなかで『より役立つやり方があるんじゃないか。それが自分たちやお客様のためにもなるんじゃないか』という現場での気づきから始まり、勉強をしてこのレベルに至るという同社のDX。トップダウンではなく、実際に作業をする人からDXが始まっていくことの大切さを、AWARDの場から伝えていきたいと思い、大賞に選ばせていただきました」(池田氏)

 

DXカンパニー大賞5社による、注目の決勝プレゼン

入賞企業と大賞の発表が終わると、音楽も切り替わり会場の空気も一転。カテゴリ大賞を受賞した5社による、「決勝プレゼン」が始まりました。今回が初めての試みとなるこのプレゼンテーションは、カテゴリ大賞を受賞した企業5社が約10分間、自社の取り組みと成果を発表し、最優秀賞を決めるものです。

まずは、鈴木建設株式会社様(「住宅×売上10億円未満」カテゴリ)のプレゼンテーション。同社専務取締役・COOの鈴木奨さんが登壇し、ANDPADの導入によって生まれた時間で行った現場美化の取り組み、そしてお客様からいただいた感謝の手紙のエピソードを紹介。成功の秘訣についても振り返りました。

「『やってみないとわからないんだ』と進めてきて、その結果かなと。実際に実行してくれた会社のメンバーや協力会社さんに、感謝を伝えたいと思います」(鈴木奨さん)


続いての登壇は、株式会社Lib Work様(「住宅×売上10億円以上」カテゴリ)。徹底したフォローによってANDPADの運用浸透を早期実現し、働き方の多様化を実現、経験知の少ないメンバーも働ける仕組みづくりなど、様々な成果を生んだ同社。ANDPAD運用推進を担う山田亜都幸さんが特に言葉を強めたのは、運用浸透をスムーズに進められたきっかけでした。

ANDPADのシステムを運用するには、従来の業務フローを変えないとうまく回らないと気づきました。そこで社長に相談したところ、返ってきたのは『ANDPADのシステムに当社のやり方を合わせてほしい』という言葉。トップの決断が大きかったです」(山田亜都幸さん)


3社目は、株式会社IPS様(「専門工事×売上10億円未満」カテゴリ)。代表取締役社長の梅村幸司さんが登壇し、業務の効率化による職人の完全週休2日制の実現について発表します。
売り上げを倍増させながら残業時間の削減も実現した同社。ANDPAD導入前と導入後の定量的な違いを、実際の見積もり画面や資料を表示しながら、解説しました。

「ANDPADで情報がしっかり管理されていることが、職人さん側からの信頼に繋がり、優秀な職人さんが集まりやすくなっている実感があります。その結果、施工品質も向上しており、好循環が生まれている最中です」(梅村幸司さん)


続いて、株式会社宗重商店様(「専門工事×売上10億円以上」カテゴリ)より、経営管理室室長 瀬戸貴博さんが登壇。
ANDPADの導入において「人を育てること」を大事にしてきた同社。ANDPADによる取り組みのひとつとして、教育や評価を行う仕組みづくりとその成果について説明しました。

「施策によって『夕礼がなくなった』ことだけでなく、施策の結果、自分たちの仕事のあり方や成果がきちんと評価される環境ができました。そこから生まれた社員の意識自体の変化がDXの成果だと思います。真面目にやればやるほど大変で、自分たちを追い込んでしまうという状況から、今では真面目にやれば成果が出て、評価される……、詰まるところ『真面目が勝つ』仕組みを実現できたことが、働く人の喜びに繋がっています」(瀬戸貴博さん)


最後は、株式会社野本電設工業(「ゼネコン・サブコン」カテゴリ)の発表です。同社のDX推進者である谷島滋さんと西愼一さんのお二人が登壇。同社は、地域密着でインフラに取り組む企業ならではの対応スピードの効率化、資料整備の不備などをANDPADを地道に使い込むことで実現してきました。現場からの意見を吸い上げ、地道に普及を進めたお二人が丁寧にバトンを受け渡ししながら施策を紹介しました。

「成果のひとつに残業時間の削減がありますが、社員同士の退勤時間がANDPADで見える化されたことによって、『誰かが帰らないと帰れない』といった空気もなくなりました。周囲の状況にも気を配りながら気兼ねなく退出していく社員の様子から、残業に対する意識の変化を実感しています」(谷島滋さん)

「まだまだ弊社はANDPAD活用において発展途上の状態ですが、更なるバージョンアップを目指していきたいと思います!」(西愼一さん)

DX推進への熱い想いを乗せた、5社のプレゼンテーションが終了。ライブ配信の視聴者から届いた各社への応援や感動のコメントも紹介されました。プレゼンの内容をもとに審査員の方々が、最優秀賞を決める審査に移ります。

 

「ユーザー部門」10部門の受賞者を発表

さて、休憩を挟んで「ユーザー部門」の発表に入ります。ユーザー部門は、ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も活用しているユーザーに贈呈する賞です。多様な業務、そしてそれを支える機能をうまく使っている多彩なユーザーの方々を称えたく、全10種の部門を用意しています。

1年間を通してANDPADを総合的に、そして最も使ったユーザーに贈られる「総合賞」は、東日本エリア1位が株式会社ヨドハンの松島睦様、2位が株式会社Rooferの加藤純一様、3位が大日本木材防腐株式会社の北尾華奈子様です。西日本エリア1位は、株式会社イケヒコ・コーポレーションの藤吉美雪様。2位は株式会社Neo工装の宇佐見健様、3位が株式会社パレットの合田良和様です。

(写真左)株式会社ヨドハン 松島さん、(中央)株式会社Roofer 加藤さん、(右)大日本木材防腐株式会社 北尾さん。

(写真左)株式会社イケヒコ・コーポレーション 藤吉さん、(中央)株式会社Neo工装 宇佐見さん、(右)株式会社パレット 合田さん。

工事日程表などを管理するANDPADボードを総合的に最も使った「ベストボードユーザー賞」の1位には、有限会社大阪信和サービスの山下俊貴さん。

工程表の作成と更新を根気強く行った「ベスト工程表ユーザー賞」の1位には、株式会社シアーズホームの伊藤正智さん。

ANDPADの報告機能を利用して、最も多く現場の “今” を報告した「ベスト報告ユーザー賞」の1位には、株式会社カインズベストケアの長沼了三さん

ANDPAD黒板を最も活用した「ベスト黒板ユーザー賞」の1位には、日建建設株式会社の中村凌平さんが選ばれました。

(写真左上)有限会社大阪信和サービス 山下さん、(右上)株式会社シアーズホーム 伊藤さん、(左下)株式会社カインズベストケア 長沼さん、(右下)日建建設株式会社 中村さん。

ANDPAD検査を活用し、最も現場の品質向上に向けて取り組んだ「ベスト検査ユーザー賞」の1位には、有限会社髙野組の髙野隼也さん。

ANDPAD受発注を通じて発注側の業務を行い、最も納品検収のアクションを行った「ベスト受発注ユーザー賞〜発注〜」の1位には、株式会社ロゴスホールディングスの宮下英理さん。

ANDPAD受発注を通じて請負側の業務を行い、受注請求業務にスピーディーに対応し続けた「ベスト受発注ユーザー賞〜請負〜」の1位には、AGC硝子建材株式会社の近藤利幸さん。

ANDPAD図面を総合的に活用し、紙・場所・人の制約を超え、働き方の変容を実現する「ベスト図面ユーザー賞」の1位には、白石建設株式会社の齋藤風優さんが選ばれました

(写真左上)有限会社髙野組 髙野さん、(右上)株式会社ロゴスホールディングス 宮下さん、(左下)AGC硝子建材株式会社 近藤さん、(右下)白石建設株式会社 齋藤さん。

受賞者を代表して、ベスト図面ユーザー賞1位の齋藤さんが登壇し、スピーチを行いました。「選出していただけたのは、日常的な活用ができているからだと思っています」と、会場の熱気に言葉が詰まる場面も交えながら、ITツールの活用浸透への想いを話しました。

「私の使い方はシンプルなものですが、まだ活用できていない方もいるので、これを機に社内の利用率を上げていけるよう働きかけていきたいと思います。ITツールに抵抗のない若手層側から、積極的に発信していくような動きが活発になっていくと、より会社や業界にとって良い影響が生まれやすくなると思っています」(齋藤さん)

 

特別講演「ANDPAD ZEROから届ける最新事例」「宗重商店の震災時でのANDPADの活用」

プログラムは続いて、今回の特別企画である2本の講演に移ります。

はじめに「ANDPAD ZEROから届ける最新事例」と題し、アンドパッド 執行役員 ANDPAD ZERO ディレクターの今井亮介が登壇。ANDPAD BIM及びANDPAD 3Dスキャンの活用、さらに新規BIMサービスについても触れながら、「本日紹介するアイデアを、ぜひ持ち帰り、御社独自の使い方を検討していただけたらと思います」と挨拶。

発表では、「3D for Everyone」というテーマのもと、誰でも使えるBIM、3Dスキャンについて講演。事前にANDPAD AWARD会場を、ANDPAD 3Dスキャン等を用いてスキャンした実演映像をご覧いただきながら、ANDPAD 3Dスキャンの手軽さ、営業での活用方法などについてご紹介しました。さらに、これまで高度な技術が必要だったBIMについては、「つくらないBIM」を紹介。施工ステップ図の作成を、建設事業者様ではなく、アンドパッド側で代行して作成するかたちをご紹介しました。ANDPADならではの新しいBIM・3Dスキャンの活用についてはこちらのお知らせも参照ください!


続いて、株式会社宗重商店様による講演です。2024年1月1日に起きた、能登半島地震。年初の天災は今もなお復興への長い道のりが続いています。今回、その最前線で活動される宗重商店様から「宗重商店の震災時でのANDPADの活用」と題し、お話いただきました。その取り組みについて語っていただくのは、同社代表取締役の宗守重泰さん。

震災当日からの迅速な対応、多数の現場とタスクを抱えるなかで必要とされる情報管理やコミュニケーションに、ANDPADが“最強の武器”として活かされたことを振り返ります。圧倒的な効率で進められる同社の仕事ぶりには、「行政からも感謝の言葉をいただきました」と話します。多くの現場の解体工事の進捗率は0%にとどまっているなか、同社が担当するエリアの進捗率は現在3%と、着実に工事が進んでいます。それでもなお、厳しい現実が立ちはだかる現状を伝え、「ANDPADとともに震災復興に挑んでいきたい」と、締めくくりました。

震災の当事者でもある宗重商店様の、熱のこもった講演に拍手のなりやまない会場。ANDPADのコミュニティマネージャーであり、AWARDの責任者でもある司会の平賀豊麻が、今回の講演に至った背景について、説明を加えました。

「入賞の連絡をさせていただいた直後に震災があり、それからこの授賞式を迎えるまでに、アンドパッドでどういうことができるのか、宗重商店さんと何度も協議を重ねました。そのなかで胸に響いたのが、宗重商店さんの『賞を受けることが、未来に向けて、そして石川の人たちにとっての希望になる』という言葉でした。その想いが、この講演の実施に繋がっています。従来の建築・建設業の枠組みに留まらないANDPADの可能性を現在進行形で広げてくださっている事例といえるのではないでしょうか」(平賀)

 

ユーザー投票によるONE賞の発表。そして最優秀賞が決定!

残るは「特別賞」の発表です。まずは、DXカンパニー部門に入賞を果たした15社の中から、ANDPADユーザーの皆様の投票によって選ばれる「ONE賞」。多くのユーザーからの支持を集めたのは、カテゴリ大賞としても選ばれた株式会社Lib Work様です。

株式会社Lib Workの建築部次長 工程コスト管理課 課長の山田亜都幸さんは、驚きを隠せない様子で「振り返ると、ANDPADを導入して浸透するまでは本当に山あり谷ありでした。毎日メンバーがコツコツ取り組んでくれたおかげです」と、喜びを語りました。


続いて、「最優秀賞」の発表へと移ります。前半に行われた決勝プレゼンをもとに審査が行われ、司会の手元にはその結果が書かれた封筒が届きます。注目が集まるなか最優秀賞を手にしたのは、株式会社宗重商店様!多くの拍手と歓声の上がった今回の授賞式のなかでも、ひときわ大きな声のあがった発表となりました。

発表の瞬間、熱い握手を交わす宗重商店様のお二人の笑顔。

同社経営管理室 室長の瀬戸さんが、満面の笑みを浮かべた様子で再び登壇。受賞の喜びを述べました。授賞式のクライマックスともいえるスピーチを、ノーカットでお伝えします。

「特別講演で社長から震災現場での現状についてお話させていただきましたが、私自身も現場に関わるひとりです。今日久々に東京に来て、非日常的な時間を過ごしてるなと感じつつ、若干の罪悪感もあります。
私はアンドパッドさんの『幸せを築く人を、幸せに。』という言葉が本当に大好きです。その言葉と同様、『宗重と働いてよかった』と思える人たちを増やしたいと思っています。DXを進めるにあたって、なにもDX職人を作らなくてはいけないなんてことはないんです。全てを使いこなせるほどでなくとも、『何かよく分からないけど、俺たち仕事できるようになったよね』って状態でいいと思うんです。私はそんな環境をANDPADで作りつつ、過酷な現場で働く建設の人たちに幸せになってもらいたいと思っています。そのために、どれだけ現場の人たちの負担を減らせるか、そして品質を高められるか、お客様にありがとうと言っていただける仕事をするかーーということをサポートするのが我々の役目だと思っています。
私たちも、まだまだたくさんの課題を抱えています。ただ、必ずどこかの企業様も同じ課題を持って解決した事例があると思うんです。そういった成功した取り組みの事例もANDPADのユーザーの皆さんともどんどん共有できれば、それ以上にいいことはないと思います。受賞を機に、あらためて気を引き締め、今後も頑張っていきたいと思っています。今日は本当にありがとうございました」(瀬戸貴博さん)

全ての表彰が終了し、最後は審査員を代表して東京大学建築情報学研究室 特任教授の池田氏による審査総評が行われました。

「皆さん、大変おめでとうございます。まず講評の前にお話ししたいのは、僕はこのイベントをやっているアンドパッドさんは偉いなと思うんです。というのは、やはりANDPADという商品のサービスを売るだけではなく、このようなイベントをしている。もちろんユーザーの皆さんをやる気にさせる目的もあるわけですけども、それだけではない。先ほどから見ていると、必ず受賞企業の担当のアンドパッドの社員さんが一緒に現れて一緒に喜んでる。これはやはり、ただ単にサービスを売っていくということ以上に、もっと会社として寄り添って、社会にとっていいことをやっていきたいという思いの強さがあって、審査員として……というのも大変おこがましいかもしれませんけども、改めて敬意を表したいと思います。 

その上で大賞をとられた5社の皆さん、先ほどから「熱い」という言葉が何度かありましたが、我々も聞きながら本当にぐっとくるものが、どの会社さんにもありました。
私は、部門審査でコメントした野本電設さんももちろんそうですし、鈴木建設さんにしても、IPSさんにしても、皆さんそういうすごく熱い思いを持ってやられてることがすごく気になりました。 
最優秀賞を選ぶにあたって、宗重商店さんとLib  Workさんの間でどっちにしようか、どっちが本当にふさわしいんだろうかっていう議論が最後まで審査員の中で白熱したんです。実は我々のところにも、ONE賞がどこになるかっていうのは全く聞かされておりませんでしたから、ONE賞がそういうかたちで認められるのは、皆さんもわかってらっしゃるんだなという風に思いました。先にちょっとLib Workさんの話をさせていただくと、Lib Workさんは、多分ANDPADがなかったら大変な状況だったんじゃないだろうかと思うようなケースでして。その中で、未経験者が働けるようにするっていうことが、この色んなことを解決するための道であると、人手不足とか色んなものを解決する道のために使おうというところが素晴らしく、この話は良かったと思いました。

ただ、やはり宗重さんのプレゼンテーションには、それとはちょっと違うものがあったと思ってまして。能登震災以降の取り組みにも大変心を打たれますし頭が下がる思いがするのですが、実は審査員として評価する段階ではそのことは勘定していません。そういうのも変ですが「それは置いといて」という風に思っています。むしろ我々が思ったのは、やはりDXというのが、利益や仕事が楽になることがもちろん必要ではあるんですが、もっと高い目標として、思いとして、仕事に対する誇りを持つということ。「解体道」とおっしゃってましたけど、仕事に関わる人が自分の仕事に誇りを持って社会と関われるような仕組み作りをするために、結果として会社のイメージアップにもなるのかもしれませんが、それ以上に「実際に働いている人たちのお仕事への誇りを作ることがDXの目的だ」というお話に非常に感銘を受けて、宗重商店さんを大賞に選ばせていただきました。大変おめでとうございます」(池田氏)

 

建設DXの最前線の皆様を、これからも後押ししていくために

大きな拍手のなか、アンドパッド執行役員の藤井哲嗣が、閉会の挨拶を行います。

「まず、ANDPADを一緒に育てていただきまして、本当にありがとうございます。今回の皆様のプレゼンテーションを拝見して、我々もたくさんの現場に寄り添わせていただいた日々だったと改めて実感しました。弊社として皆様にお約束したいのは、我々はこの建設DXから『逃げない』ということです。日本で一番建設を思う会社でありたいと思っております。引き続きご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」(藤井)


そして、受賞者たちが交流する懇親会がスタート。参加者全員に手渡されたのは、きんと冷えたAWARDオリジナルの特製ビール「ANDPAD AWARD BEER」。
司会を務めたコミュニティマネージャーの平賀の音頭で、乾杯!

授賞式の緊張がほどけ、リラックスした表情に。

懇親会が盛り上がるなか、サプライズの発表が。カテゴリ審査の際のプレゼンテーションの素晴らしいパフォーマンスを讃えるべく、「ベストパフォーマンス賞」が急遽設けられました。賞が贈られたのは、株式会社マルコ様です。(マルコ様のプレゼンテーションの様子はこちらからご覧いただけます!)

サプライズで急遽お呼び出しをさせていただいた瞬間の株式会社マルコ 丸山社長。ガッツポーズでステージまで移動する様はスターのよう。

アンドパッドの執行役員・建設DX研究所の代表を務める岡本杏莉がプレゼンターとして登壇し、「緊張感ある審査会に笑顔が溢れました」と、コメント。
株式会社マルコの代表取締役社長 丸山紀元さんがステージに立ち、「皆さん、こんばんは!ありがとうございます!」とパワフルに挨拶をすると、周囲に笑いが溢れます。「私たち、そして皆さんは日本の建築を支えている大事な人材です。業界を一緒に盛り上げていきましょう!」と、会場を一気に盛り上げました。

DXカンパニー部門、ユーザー部門を超えて、工程表を徹底的に活用しているビルダー、不動産、工務店が熱く意見を交わし、建設的な学び合いが生まれていた。

カテゴリ審査会ではライバル同士でもあった各社が、互いの功績を讃え合う。審査員とともに審査の過程を振り返る一幕も。

ANDPAD AWARDは、ANDPADのユーザーコミュニティにおける年次最大の祭典です。と同時に、実は私たちアンドパッド社員にとっても、最も誉れ高い、目指すべき場でもあります。なぜなら、私たちはお客様との関係において信頼し合い、共に成長し続ける、「Customer Success」という状態を常に目指していて、その最たるものがAWARDという場だからです。

奮闘と成功のストーリーをお客様とともに紡ぎ、失敗と成功をシェアしながら、手を取り合って建設DXを一歩ずつ前に進めていく実感をありありと感じられるAWARDという機会が、その熱狂を全身で受け取るあの場に立つことが、喜びそのものでした。

そして当然ながら、あの場はわれわれ社員だけでは絶対につくり得ないものです。ユーザーの皆様の、「いい仕事がしたい」という熱意、「よりよく変わりたい」という想い、そうしたものに裏付けされた努力と研鑽の日々があってこそ、初めてつくられる場です。ここに並ぶ写真はほんの一部ですが、それだけでも、あの場が極めて純度も熱量も高く、そして何より、お互いを讃え、学び合い、前向きで笑顔溢れる場だったことが伝わると思います。あの日、あの場に巻き起こった熱狂をつくった皆様一人ひとりのこれまでの努力の積み重ねに心より敬意を表するとともに、厚く御礼申し上げます。

私たちは、建設DXから逃げません。これからも皆様の挑戦に伴走させてください。

「幸せを築く人を、幸せに。」

執筆・編集: BAKERU
編集:平賀豊麻、原澤香織、田中萌菜、鯉沼愛実
デザイン: 安里和幸
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