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ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛させていただくANDPAD AWARDのユーザー部門。これまで紙でのやり取りが主流だった受発注業務を電子化し、発注書の送付や請負のやり取り、工事完了後の請求書の受け渡しなどをシステム上で完結することができるのが「ANDPAD受発注」だ。
2025年の1年間、日々「ANDPAD受発注」を通じて請負側の立場で業務を行い、最もANDPAD受発注を活用したユーザーとして、ANDPAD AWARD 2026 ユーザー部門「ベスト受発注ユーザー賞-請負-」3位を受賞した、阪和興業株式会社 住宅資材第二部 住宅第一課 真木健吾さんと住宅資材第二部 住宅第二課 原田麻希子さんにお話を伺った。

同社は、設立から79年目を迎える老舗の独立系商社。鉄鋼事業を主軸に、金属や食品、エネルギー、生活資材など幅広い事業を展開し、即納・小口・加工に注力した「そこか」戦略で成長を続けている。
その同社で住宅資材事業を担うのが、真木さんと原田さんが所属する「住宅資材部」だ。木製商材の輸出入からスタートした住宅資材事業は、やがてハウスメーカー向けの住宅資材販売にも裾野を広げていく。業界としては後発だが、既存の慣習にとらわれない商流を顧客に提案することで、真木さんたちは価値創造を図ってきた。
本稿では、フロントで受注を獲得する営業側と、バックオフィスで処理をする事務側の連携における、同社の取り組みを紹介する。コミュニケーションチャネルが複雑化し、多様な情報が集まるなかで、どのように事務作業を一元化するのか。社内スキームの属人化に悩む方々の参考になるだろう。

独立系商社で拡大を続ける住宅資材事業とトータルソリューション
──ANDPAD AWARD 2026 ユーザー部門「ベスト受発注ユーザー賞-請負-」全国3位の受賞、おめでとうございます! はじめに、貴社の事業内容について教えてください。
真木さん: 当社は1947年(昭和22年)に設立した独立系商社です。鉄鋼をはじめ、各種金属やそのリサイクル、食品、エネルギー、生活資材など、大きく分けて6つの事業を展開しており、幅広い商材を扱う商社として業界に確固たるポジションを築いてきました。2025年度の売上高は約2兆7,000億円、経常利益は約520億円にのぼり、経常利益の約74%を主軸の鉄鋼事業が占めています。

──さまざまな商材を展開されているなかに、住宅資材を扱う部門があるわけですね。
真木さん: そうですね。住宅資材部は第一部から第三部まであり、東京・大阪・ウィーンの3拠点に約100人を擁しています。第一部が木材製品の輸出入、第二部がハウスメーカー向けの住宅資材販売がメインです。第三部は大阪を拠点に、第一部と第二部の内容を合わせた形の業務を行っています。
──真木さんは、入社当初から現在の「住宅資材第二部」に所属されているのでしょうか?
真木さん: いえ、入社から6年間は木材第一部(現・住宅資材第一部)で輸入商材に携わっていました。ヨーロッパやロシア、北米から木材の製材品を輸入して、国内のプレカット工場や木材問屋に卸していたんです。現在の住宅資材第二部には、2022年に異動しています。取引先が工場や問屋といった多様な流通事業者から、ハウスメーカーなどのエンドユーザーに変わった形です。

阪和興業株式会社 住宅資材第二部 住宅第一課 真木健吾さん
真木さん: 私が入社した2016年ごろに比べると住宅資材部全体の売上は約4倍に増えていますね。所属している人数も当時から3倍ほどに増えており、拡大を続けている事業になります。2024年に「木材部」から「住宅資材部」へと名称を変更し、現在は木材だけでなく、住宅に関わるものはすべて扱う、トータルソリューション体制を整えています。
仕入れ基盤を活かしたマーケットイン戦略
──卸売りが主体の商社において、住宅資材第二部はエンドユーザーと直接向き合われています。なかなか特殊な立ち位置のように思いますが、住宅資材部全体ではどのような連携が図られているのでしょうか。
真木さん: 第一部は、欧州や北米、ロシアから圧倒的なボリュームで輸入や仕入れを行っています。海外の仕入れ先からのオファーを受けて国内に販売する「プロダクトアウト型」の営業スタイルで、仕入れ口が確保されていることが強みです。

真木さん: これに対し、現在の第二部は「マーケットイン型」。エンドユーザーである住宅会社様の視点に立った部門です。仕入れ先に対してエンドユーザーが求めるものを伝え、「こうしたスペックでないと国内では販売できない」というスタンスを取っています。住宅会社様の生の声に耳を傾け、商流の最適化を図りながら、仕入れ先を引っ張っていく動きを続けています。
──なるほど。第一部による強固な仕入れ基盤があるからこそ、マーケットイン型の動きができるわけですね。
真木さん: その通りです。もともと、阪和興業は木材部門に関しては後発でした。参入したときには、既に総合商社やその子会社の建販商社が競合として存在していたんですね。
ただ、競合他社は既存の建材メーカーとの付き合いが長く、以前からの商流に配慮しながら動かねばならないというバックグラウンドを抱えています。一方、後発で参入した私たちだからこそ「既存の枠組みにとらわれないフラットな視点」で、お客様にとっての最適解を追求できる強みがあります。

真木さん: ゆえに、住宅会社様にとって最もメリットのある、最短かつ合理的な商流をデザインし、提案することができます。たとえば、材料と工事を分離した方がいいのか、あるいはプレカットからフェンス、ユニット鉄筋、住宅設備までをワンストップで一括提供した方がいいのか、というように。エリアごとに異なる住宅会社様の課題一つひとつに向き合い、商流や生産を最適化していく。このスタンスは、木材部門への参入当時から一切ブレていません。
──住宅会社様の反応はいかがですか?
真木さん: 住宅会社様もこれまでの慣習に対して疑問を感じていらっしゃるケースもあり、「阪和興業さんに相談したら解決する」と言っていただけますね。商流の最適化を提案する際は「ここの商流をよりシンプルに集約できますね」「よりダイレクトなルートを構築できますね」などと会話を交わしながら、一緒にベストな形を探るようにしています。

──お客様への価値提供を図るうえで、貴社として指針となる考え方はありますか?
真木さん: 阪和興業には、即納・小口・加工の頭文字を取った「そこか」戦略というものがあります。「そこか」は阪和興業の核となる戦略であり、事業ごとに「そこか」を深化させることで成長してきました。住宅資材事業では、あらゆる住宅資材を素材から一貫して提供する「木材版そこか+施工」戦略により、顧客満足度を高め、サステナブルなくらしの実現に貢献しています。

営業の「専門化」と事務の「標準化」を繋ぐ体制
──真木さんは営業としてキャリアを積まれてきました。住宅資材第二部の営業力の強みは、どこにあると思われますか?
真木さん: 第二部に所属する営業は8割から9割が経験者採用で、そのほとんどが同業他社からの転職組です。先ほどの「既存の枠組み」の話にも通じるのですが、「これまでの経験を活かし、よりスピード感を持ってお客様に直接提案したい」という熱意を持ったメンバーが「阪和興業なら自由に動ける」と入社するケースが多いんですね。

真木さん: 当社の営業は商材を売って終わりではなく、構造的な課題は何かを分析して、どうすればエンドユーザーも仕入れ先も有益になる形になるかを考えることが提案の根底にあります。ですので、既存の仕組みや慣習にとらわれることなく、この業界を変えていこうというマインドを持ち合わせていることが、強みの源泉ではないかと思います。
あとはスピード感も当社の強みですね。営業が自分で戦略を考えて、課長に相談してOKが出ればすぐに動く、というカルチャーが根付いていると感じます。
──なるほど。その営業の動きを受け止めるのが、事務の原田さんの役割ということでしょうか。
真木さん: そうですね。営業は受注した段階ではどうしても内容がふわっとしている部分も多いんです。その曖昧な情報をもとに、受注から納品までの一連の流れをしっかり整えて、誰でも回せるスキームに落とし込んでくれるのが原田さんです。


──原田さんはどういった経緯で阪和興業に入社されたのでしょうか?
原田さん: 私も転職組で、2020年に大手建販商社から中途入社しました。一般職として幅広く業務を支えるなかで、「もっと主体的に、自らの手で新しい仕組みや事務のスキームを一から構築する挑戦がしたい」と考えていたんです。そのとき声をかけてもらったのが阪和興業でした。「直需という新しい領域で、スピード感を持って事務のスキームを構築できる人を探している」と聞き、ぜひやらせてほしいと手を挙げました。

阪和興業株式会社 住宅資材第二部 住宅第二課 原田麻希子さん。2020年に中途入社。大手建販商社2社を経て現職。
原田さん: 当時の阪和興業は、営業がどんどん案件を取ってくる一方で、その受け皿となる事務のプロセスが確立しておらず、手作業で処理を進めていたせいで残業も増えていました。営業がポテンシャルを最大限に発揮して、新規開拓に100%集中するためにも、事務のプロセスを標準化して受け皿を整えるのが私のミッションでした。
──入社年では真木さんのほうが先輩なんですね。お互いの第一印象はいかがでしたか?
真木さん: 原田さんは入社当時からきっちり仕事をするタイプですよね。おかげで非常に助かっています。バックオフィスが会社を守ってくれるからこそ、私たちは思いきり走れますから。
原田さん: 私は真木さんに初めて会ったとき、お調子者っぽい感じかなと思ったんですよ(笑)。でも、一緒に仕事をしてみると本当に真面目で驚きました。いい意味でギャップがありましたね。
真木さん: それはよかったです(笑)。

情報の抜け漏れを防ぐ実務ルール
──貴社では2021年からANDPAD受発注を活用されています。発注業務はどのように分担されているのでしょうか?
真木さん: フロントとしての受注は営業の私が担当していて、先方の工務や設計、購買とやり取りをしています。営業が口頭で事前発注を受けたあと、請書や発注書に関する経理とのやり取りや、納品後の処理は事務側が行います。原田はANDPAD上の処理も担当しています。

──真木さんがANDPAD受発注で1年間で処理した件数は約1,800件でした。これは業界全体から見ても非常に大きい数字です。
真木さん: ありがとうございます。招待元企業様が複数社あるので、その合計もあると思いますが……。ある元請企業様で全棟に採用されているアイテムがいくつかあり、それを中心に細かくアイテムが分かれているので、積み上げるとそれくらいの数になるのだと思います。
──それだけアイテムの種類が多いと、納品日の調整なども大変なのではないでしょうか?
真木さん: そうですね。アイテムごとに納期もかかる時間も変わるので、あらかじめ住宅会社様や仕入れ先の企業様とすり合わせるようにしています。たとえばフェンスなどの外構商材は、先に納品しておくことができないので、監督さんに「納期に1週間ください」と周知しておき、追って監督さんから「この日に入れてください」と依頼いただいています。

真木さん: また、ユニット鉄筋などは、作図が終わったタイミングで工程が出ているので、「この日に納品します。もし変更がある場合は○日までにANDPAD上で返信をお願いします」とやり取りをして、納期を把握するようにしています。
──商材によって納期に幅を持たせているわけですね。取引先とのやり取りは、どのような形で行っているのでしょうか。
真木さん: 取引先によって、本当にバラバラですね。メール、電話、メッセージアプリなどさまざまで、製材会社さんなどはまだFAXが残っているところもあります。何度も「メールで送ってください」とお願いしても「FAXしか送れない」と言われることもありますし、届いたFAXの文字が判別しづらいケースもありまして……。お互い処理がしやすいように、こちらもFAXを用意しなくてはならない状況です。

真木さん: すべてのやり取りがANDPAD受発注に統一できれば一番スムーズなのですが、お取引先様ごとに使い慣れた手段が多様なため、なかなか難しいのが正直なところです。DXによる業務効率化が進む一方、コミュニケーションチャネルの多様化が逆に課題になっているように感じています。
──真木さんの発注件数からすると、やり取りのボリューム自体大きそうですよね。
真木さん: そうですね。同時に動いている取引の件数が多いので……。ANDPADのチャット機能も、非常に便利に使わせてもらっているんですが、うっかりすると大事な通知を見落としてしまう危険もあって。

──チャットを見落とさないために、工夫されていることはありますか?
真木さん: 緊急の要請や納期の変更など、特に見落としてはいけない内容に関しては、元請企業の監督さんに「ANDPADチャットに入力したうえで、必ず私の携帯にショートメッセージを送るか、直接電話をしてください」と事前にお願いしてますね。抜け漏れがないように徹底することで、営業が確実に情報をキャッチして事務に受け渡すようにしています。ただ、本来はこういったやり取りも、すべてANDPADチャットひとつで完結させ、もっとスマートに使いこなしていくべきだと思っています。ツールを使いこなせれば、お互いの電話の手間や時間をさらに削減できるはずですから。
ANDPAD ONE編集部より
ANDPADチャットには、読んだ人にOKボタンを押してもらう「確認機能」がついています。また、誰が閲覧済みかも見ることができるので、未読の人に確認を促すことも可能です。連絡事項の周知徹底の手間が大幅に削減できます。
ANDPAD受発注を軸にした情報一元化
──事務側の体制について聞かせてください。現在事務の皆様は何名いらっしゃるのでしょうか。
原田さん: 11名の営業に対して、事務は4名でバックオフィスの処理をしています。
──営業から事務へ案件がバトンタッチされたあと、具体的にはどのように処理が流れていくのでしょうか。
原田さん: 先ほど真木さんの話にもあったように、営業から伝わる受注情報はメールや電話、FAXなど形式がバラバラの状態です。これを全社で共有できる状態にして、一定のルールで事務作業を進めたいので、まずは私たちのほうで受け取った情報をデータベース化しています。そのうえで、ANDPAD上の請求処理を進めたり、社内システムに投入するデータを作成したりしています。

──複数のコミュニケーションチャネルからもたらされた情報を、一度事務のほうで標準化されているわけですね。
原田さん: そうですね。データのチェックでは、RPAツールも活用しています。ANDPADからエクスポートした受発注データと、社内システムのデータを突合させるために、RPAツールを使っているんです。二重入力や月末の金額違算を防ぐために、属人的にならない仕組みを構築しています。
──ANDPAD受発注を使ううえで、「便利だな」と感じる機能はありますか?
原田さん: それこそRPAツールでデータを突合させる際に、ANDPADからデータをエクスポートできるのは便利ですよね。あとは、自動請求の仕組みが気に入っています。請求処理の漏れを防げるので、非常に助かっています。


属人化を廃したスキームの構築が目標
──お二人が感じる、仕事のやりがいについて教えてください。
真木さん: 新規で住宅会社様を開拓して、新たな商流を提案できたときが一番うれしいですね。さまざまな方から悩みをご相談いただける関係性が構築できていることもあり、「困ったときに一番に相談してくれているんだ」と感じることが、この仕事のやりがいにつながっています。

原田さん: 事務のスキームを構築したくてこの会社に入ったので、この仕事自体に関われることがやりがいですね。1件でも1万件でも同じ流れで処理ができ、ベテランでも新入社員でも同じ結果が出るような、属人化を廃したスキームを構築することが目標です。「新しいことをどんどんやろうよ」という社風なので、今は仕事がとても楽しいです。
──ANDPAD受発注を使うなかで、この部分がもっとこうだったら……と感じるものはありますか?
原田さん: 請負処理がまとめて出来たらいいなと思います。おかげさまで発注量が増えていますので、1件ずつ処理するのではなく、まとめて処理できたら非常に助かります。

──貴重なご意見をありがとうございます。では最後に、お二人の今後の展望についてお聞かせください。
真木さん: 建設業界や建材業界はどこも本当に忙しいと思うんです。そんななか、ANDPADをはじめとする建設DXがどんどん加速していくことによって、設計担当は設計に、工務担当は工務にと、本来の業務に集中できる環境になればと期待しています。そして私たち営業担当も、事務処理にかける時間を最適化し、新規開拓および新規提案によって住宅会社さんの繁栄に貢献していければと考えています。そのためのお手伝いを、引き続きANDPADさんにしていただけると嬉しいです。
原田さん: 私も真木さんと同じですね。業界では人手不足が加速していますし、ANDPADさんにはDXをより加速していただいて、事務処理にかける時間を少しでも減らせたらと思います。
真木さん: あと、今回のANDPAD AWARDでは「ベスト受発注ユーザー賞」請負3位でしたので、今よりもっと取引先を増やして、来年こそは全国1位になりたいですね!


住宅資材第一部によるプロダクトアウト型の仕入れと、第二部によるマーケットイン型の直需。その二つを強みに、同社の住宅資材事業は成長を続けてきた。その強みの源泉は、業界の慣習に風穴を開けようとする営業担当たちのマインドにある。エンドユーザーにとってベストな商流とは何かを問い続けることで、同社は新たな扉を次々と開いてきた。
その絶え間ない「攻め」を受け止めるには、社内に盤石な「守り」が必要だ。多様な情報の標準化や、データ突合の自動化などを通じて、同社は事務スキームの構築を図ってきた。住宅資材のプロたちによる「専門性の特化」と、多様な形式の受注情報からでも迅速に事務処理を進めるための「属人性の排除」、その両輪が揃ったとき、同社はさらなる飛躍を遂げるだろう。その下支えを担う存在として、ANDPADは今後も伴走させていただきたい。

(左から)阪和興業 真木さん、原田さん、アンドパッド コミュニティマネージャーの平賀
| URL | https://www.hanwa.co.jp/ |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役社長 中川 洋一 |
| 設立 | 1947年 |
| 本社 | 東京本社:東京都中央区築地1-13-1 銀座松竹スクエア 大阪本社:大阪市中央区伏見町4-3-9 HK淀屋橋ガーデンアベニュー |
















