ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛するANDPAD AWARDのユーザー部門。今回は、2024年の1年間を通して、ANDPAD検査を活用し、最も現場の品質向上に向けて取り組まれたユーザーを称える「ベスト検査ユーザー賞」において、第1位を受賞した株式会社Balboa 宮本 徳洙さんにお話を伺った。
株式会社Balboaは、大手ハウスメーカーや地場の不動産会社、総合建設会社からの依頼を受け、新築住宅の建築やリフォームを手がけている工務店だ。東海エリアで総合住宅不動産事業を展開する株式会社ブルーボックスからは、賃貸物件の原状回復工事をメインで請け負っている。今回のインタビューには、同社の元請けにあたる株式会社ブルーボックスの山本さん、高島さんにも同席いただいた。
賃貸物件の収益性向上には、空室期間を少しでも短くするために、早期に客付けを行って物件稼働率を高める取り組みが欠かせない。そのためにも、ブルーボックスではANDPADを活用して、原状回復工事の業務管理・協力会社からの検査報告を実施し、退去立会いから入居可能日までのリードタイム短縮に努めてきた。
宮本さんは、元請けであるブルーボックスが整備したANDPAD検査のテンプレートに沿って施工後の自主検査を実施し、入居希望者が満足する品質の維持に努めている。また、原状回復工事における是正の指摘には1週間以内に対応。ほぼすべての是正対応に写真を添付して報告を行い、元請けや入居希望者に安心を届けている。
今回は、原状回復工事に一貫して対応する多能工である宮本さんの仕事にフォーカスし、ANDPAD活用のメリットなどを詳しく伺った。原状回復工事の品質向上に向け、協力会社との連携を高めたい企業には、ぜひ一読していただきたい。
建築業界で30年にわたり経験を積んできたクロス職人
──ANDPAD AWARD 2025 ユーザー部門 「ベスト検査ユーザー賞」1位受賞、おめでとうございます! まずは今回受賞の知らせをお聞きになったときの率直な感想をお聞かせください。
宮本さん: 全国1位に選んでいただいて本当にありがたく思っていますが、受賞の理由を伺って「それだけ是正箇所があったのか」と少し複雑な想いにもなりました。ただ、是正依頼を受けたときは少しでも早く対応しようと動いていますので、是正対応の早さや報告内容を評価していただけたのは嬉しいです。

株式会社Balboa 宮本 徳洙さん
──宮本さんのこれまでのご経歴も教えていただけますか?
宮本さん: 私は20代前半から、壁や床の張り替え作業を業務委託で請け負うクロス職人として経験を積んできました。現在は、Balboaで原状回復工事に携わらせていただいています。職人としてのキャリアは30年で、Balboaでの仕事は10年ほどになります。

今回は、株式会社ブルーボックスの山本さん(写真左)、高島さん(写真右)にも取材に同席をしていただいた。山本さんは「私たちも受賞の知らせを聞いて驚きました」と話す。
退去立会い、現場の施工、自主検査まで一貫して対応する多能工
──クロス職人として経験を積んでこられたとのことですが、現在は原状回復工事一式に対応されているのですか?
宮本さん: はい。できる範囲で設備交換にも対応していますし、依頼内容によっては入居者様の退去立会いも担当させていただいています。退去立会いの場合は、入居者様と一緒に現状を確認し、経年劣化ではない設備の破損や床のキズなどをブルーボックスさんへ報告しています。

宮本さんの仕事風景のひとコマ
山本さん: 当社は、現在15社ほどに原状回復工事をお願いしていますが、協力会社のみなさんには、退去立ち会い時の写真撮影、入居者様との修繕内容の確認、見積もり作成、電子契約、クレジット決済・振込での清算業務、お客様アンケートの回収まで一貫して担当していただいています。
協力会社さんがANDPADにアップしてくれた退去立会いの完了報告と現場写真、見積もりを当社の事務スタッフが確認し、それをもとにオーナー様へ報告を入れたり、必要に応じて入居者様とお話をしたりしています。
──宮本さんや協力会社さんに、貴社のお客様対応まで任されているのですね。
山本さん: 当社では、工事をお願いする協力会社さんは登録制にしており、入居者様対応は私たちが面接をして許可を出している職人さんのみにお任せしています。当社側のスタッフとして入居者様に接していただきますので、高圧的な態度を取ってしまったりすると入居者様の不満につながりますから、職人さんの仕事ぶりや人柄はしっかり把握しています。

株式会社ブルーボックス 工事部部長 山本 博之さん
山本さん: 完了報告や見積り提出、工事完了後の自主検査など、ANDPADを介して行っていただく業務が多いため、協力会社さんには当社からタブレットを貸与しています。入居者様のアンケート入力や決済もタブレットで行っていただいています。
宮本さん: 是正依頼に対するコメントなど、文字を打ち込む作業をともなうときはタブレットが便利なので貸与はありがたいです。現場の写真撮影はスマートフォンでANDPADを起動し、撮影することも多いです。
──宮本さんは、退去立会いだけではなく原状回復工事の施工もされているんですよね。
宮本さん: はい。職人として施工をし、自主検査を実施して完了報告まで行っています。小回りが利くスピーディな対応が強みです。
──幅広い業務範囲に柔軟に対応されていて驚きです。おひとりで対応されているのですか?
宮本さん: 私は弟と2人でペアで現場を回っています。10年ほど一緒に仕事をしていますが、どちらかの手が空いたときにフォローし合えるように、施工に関しては2人ともすべての工程を担当できるようにしています。
──宮本さんと弟さんのおふたりで年間どのぐらいの工事件数を担当しているのですか?
宮本さん: 昨年の工事件数は114件で、月10件前後をお任せいただいているような状況です。クロスをすべて張り替えるようなリフォームであれば、2LDKやメゾネットタイプのお部屋で4〜5日、ワンルームタイプは2〜3日ほどで対応しています。
原状回復工事の施工だけではなく、退去立会いから精算業務まで一貫して手がけている宮本さん。兄弟で協力しながら幅広い工事内容と是正依頼にスピーディに対応し、工事実績を伸ばしている。後編では、元請けである株式会社ブルーボックスの徹底した品質管理を支える宮本さんの仕事ぶりについて、さらに詳しく深掘りしていく。
URL | https://balboa-build.com/index.html |
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代表取締役 | 安藤則文 |
創業 | 2008年 |
本社所在地 | 愛知県清須阿原池之表76番地 |