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三ツ星ハウジング|「人」を大切に、地域に根ざした営業スタイルで信頼を得るリフォーム会社

〜前編〜OB比率は約65%!「納得」「満足」を超えた「感動」を届ける

目次

  1. OB比率は約65%! 地元に根ざしたリフォーム店
  2. 大規模な雹害が発生。800件の依頼に社員総出で迅速かつ誠実に対応
  3. ライフタイムバリュー(顧客生涯価値 / LTV)を高める2つの営業スタイル

埼玉県上里町に会社を構える三ツ星ハウジング株式会社は、昭和21年創業の老舗「株式会社大橋(リフォームおおはし)」のリフォーム部門を引き継ぎ、2013年5月に設立された会社だ。前身となる会社を含めた施工実績は1万件を超え、多くの経験やノウハウを蓄積。接客・プラン・商品・施工・アフターサービスのすべてにおいて、お客様に納得(☆)・満足(☆☆)を超えた感動(☆☆☆)を届けたいという思いが、社名の「三ツ星」に込められている。

同社は、リフォームを主力事業としながらも訪問販売はせず、反響型の営業スタイルを貫いている。OB比率は約65%で、紹介が多いことも起因し問い合わせからの受注率は約60%と、地域からの信頼を獲得していることがうかがえる。社員それぞれが自身にあった営業スタイルで顧客のライフタイムバリュー(顧客生涯価値 / LTV)を高めているが、一方で営業の属人化や情報集約における非効率に課題を感じてもいた。そこで2018年よりANDPADを導入、さらにその後ANDPAD引合粗利管理、ANDPAD受発注を段階的に導入し、活用を進めている。現在は、営業ハイパフォーマーのノウハウの型化を推し進めていくべく、改革を進めている最中だ。

今回は同社代表取締役の清水秀幸氏さんと、今村大輝さん、酒井佑樹さんにインタビューを実施。前編では、地域に根ざして成長を続ける三ツ星ハウジングの強みについてお話を伺った。

清水 秀幸氏
三ツ星ハウジング株式会社 代表取締役
大学卒業後、飲食店に就職。その後現会社の前身となる株式会社大橋に入社。分社化に伴い建設部門の代表に就任した後、2013年に三ツ星ハウジングを分社化して創業。
 
今村 大輝氏
三ツ星ハウジング株式会社 伊勢崎ショールーム店 店長 ホームコンサルタント
美容関係の仕事や販売員などを経験した後、建築やインテリアに興味があったことから2014年に同社に入社。2年前、伊勢崎店の立ち上げを任され、店長に就任。
 
酒井 佑樹氏
三ツ星ハウジング株式会社 リフォームアドバイザー
2022年4月に、建築のバックグラウンドがない状態で新卒社員として入社。その後地域で大規模な雹害が発生、入社2カ月で現場に出て対応に当たったことで、若手ながら営業職としての多くの経験を積んだ。

 

OB比率は約65%! 地元に根ざしたリフォーム店

三ツ星ハウジングの前身となる株式会社大橋は、もともと製材業として1946年に創業、後に材木店として設立された。その後2000年にリフォーム専門店「リフォームおおはし」を立ち上げ、5年後には不動産部門を設立。売買仲介や中古住宅の再生事業を開始した。2013年にリフォーム部門を移管、分社化して三ツ星ハウジングとして設立。ほぼ同時期に、一級建築士事務所としても登録している。

地域に根ざした営業スタイルで着実な経営を続ける同社のOB比率は約65%。OB客からの紹介も多く、問い合わせからの受注率は約60%だという。地域に愛される同社だが、今回話を伺った代表取締役の清水さん、今村さん、酒井さんはそれぞれどのような経歴をお持ちなのだろうか。

清水さん: 前職は飲食業でした。前身の「リフォームおおはし」時代に入社したのですが、志望の動機は稼げそうだし休みも多そうという、今振り返ると不純なものでした(笑)。入社当初から、できればいつか独立したいという思いを抱えており、前社長である顧問からも応援していただきながらがむしゃらに頑張りました。顧問には「お金を中心に考えてはいけません。額に汗をかいて、人様のお役に立つことで稼ぐのがお金ですよ」と教わりました。このことが、OB比率約65%という数字にも表れている通り、地域の皆さんに信頼していただける実績につながっていると思っています。

三ツ星ハウジング株式会社 代表取締役 清水秀幸さん

 

今村さん: 私が入社したのはちょうど10年前、27歳の時です。これまでは美容関係の仕事や販売員などをしていました。営業職自体、当社に入社してから初めてでしたが、第2子が誕生したタイミングでもあり、年齢的にも一生携われる仕事をと考えており、学生時代に建築やインテリアが好きだったこともあって入社を決めました。入社8年目で伊勢崎店の立ち上げと店長を任され、ちょうど立ち上げからまる2年になります。

三ツ星ハウジング株式会社 伊勢崎ショールーム店 店長 ホームコンサルタント 今村大輝さん

 

酒井さん:私は伊勢崎店がオープンした22年4月に新卒で入社し、いま3年目になります。就職活動の時期がちょうどコロナ禍で新卒募集がない会社も多く、幅広く応募しても受からないかも、という思いから業種を絞って就職活動を行いました。建築の勉強は全くしていませんでしたが、営業職として「現場で覚えていくぞ」と飛び込みました。いろいろな人に助けていただき、今では小さなものから大きなものまで幅広く、月に20~30件ぐらいの案件を持っています。

三ツ星ハウジング株式会社 リフォームアドバイザー 酒井佑樹さん

 

大規模な雹害が発生。800件の依頼に社員総出で迅速かつ誠実に対応

地元に密着した営業を続けてきた三ツ星ハウジングだが、時にイレギュラーな事態に見舞われることもあったという。それは、2022年、この地域一帯に大粒の雹が激しく降ったときのことだ。そんな時、いかにして対応したのだろうか。

今村さん: 2年前、この地域にゴルフボール大の雹が降り、多くの家屋で窓ガラスや瓦が割れるなど、お客様の生活に支障が出てしまいました。その際には全社を挙げて対応しましたが、とにかく件数が多くて大変でした。当時酒井は入社してまだ2カ月、新卒で入ったばかりの頃。もともとは社長からも「入社半年ぐらいまでは現場に出さない」と言われていたのですが、雹害が発生しとにかく人手が必要な状況になり、酒井にも現場に出てもらうことになったんです。

酒井さん: 現場のことも何もわからず、どうしたら……という思いでしたが、当時の状況を振り返れば「行かざるを得なかった」というのが正直なところです。会社の電話が鳴りやまず、800件ぐらいの依頼があり、それを営業職5~6人で対応して、ひとり100件以上抱えながら、1カ月ほどかかりました。私も1週間で30箇所ほど現調に赴きました。わからないことだらけでしたが、大変貴重な経験を積ませていただく機会だったと思います。

清水さん: 大変な状況の中でも、今村や酒井を含め、社員がお客様に対して寄り添った丁寧な提案をしてくれたことに、頭が下がる思いでした。「次に同じような被害にあったら、また三ツ星ハウジングに頼みたい」と思っていただけるような提案を心がけてくれていたと思います。以前は台風のあとなど、職人さんが足りないという話を聞くと「仕事が忙しくなっていいのでは?」とも思っていましたが、実際に経験してみると本当に大変で、大きな思い違いでした。ただそんな中でも、写真やデータを共有できるANDPADには助けられました。会社の自分のPCにだけ写真やファイルを入れていたら、おそらく仕事が回り切らなかったと思います。

雹害による被害の大きさを物語る、当時の現調写真。ANDPADの地図表示機能(写真右)で見ても、雹害対応の案件数が膨大だったことが窺い知れる。

 

ライフタイムバリュー(顧客生涯価値 / LTV)を高める2つの営業スタイル

社長である清水さんは、常日頃から会社は「人」で成り立っており、会社の良さは「人」で決まる、と話しているという。では、三ツ星ハウジング流の「人」の良さを活かす取り組みとはどんなものなのだろうか。

清水さん: うちは草野球チームのようなものだ、と思っています。そんなチームにメジャーリーガー級の人が来ても、本人も不幸だし、私たちも不幸だよね、と社員には言うんです。ある程度の同じぐらいのレベルの人が揃うからこそ切磋琢磨できる、と。下すぎても、上すぎても良くないけれど、チームで戦って勝てばいいんだ、と伝えています。スーパーヒーローが一人で活躍して勝つようなチームではなく、みんながヒーローになって回していくチーム、というイメージでしょうか。

三ツ星ハウジングでは、新築案件は紹介のみで、日々の仕事の大部分はリフォーム工事が占めている。リフォーム工事は数万円の小工事から500万円以上の大型リフォームまで幅広く対応しているが、なかでも売り上げ500万円以上となる案件は件数割合で2割ほどだそう。そんな大型案件を得意とするのが今村さんだ。

今村さん: 私は基本的に、お客様には予算をお聞きせずに接客、ご提案しています。予算の代わりに必ず伺っているのが、「誰のためにリフォームをしたいのか」といった、リフォームのご相談にいらした背景の情報です。よくある例として、60~70代のご夫婦が来店されるケース。一般的には大きなリフォームにはつながりづらいんです。しかし、なぜリフォームをされるのか、じっくりお話を聞くうちに信頼していただけると「実は息子がいて、今後も末永くこの家に住めるようにしてあげたい」なんて、優しい親心を感じる話を打ち明けてくださったりする。そういう場合は、大きなご提案につながるケースが非常に多いですね。

初回来店時からお客様と関係を築き、大型案件へと導く今村さんの営業手法は、社内でも一目置かれているという。今村さんは「当社での研修の際には、まず予算を聞く、と教えてもらいました。ただ自身が成長していく中で、そのやり方を少しずつ変えていったんです」と話す。一方の酒井さんは、基本に忠実で、地道に成果を積み重ねるタイプだ。

酒井さん: 私の場合は最初に予算を聞いてからいくつかのパターンを用意してご提案します。いろいろとお話を聞きながら、予算に余裕があれば「ここを直すのであれば、こちらも直しておけばより長くお使いになれますよ」というご提案をすることはあります。逆に予算が厳しいのであれば、「今回はここだけにして、他はまた次回にしましょう」ということもあります。

芸道における修行のプロセスを表す「守破離」という言葉がある。まずは型を「守」ることで学び、自分流のアレンジにより型を「破」る。最終的には型自体から「離」れ、思いのままに行動する境地に至る――その言葉になぞらえて考えると、お客様と時間をかけて信頼関係を醸成しようとする酒井さんは、「守破離」の「守」を徹底しているタイプ。キャリアはまだ数年で、ベテランに比べれば知識も少ないが、「何事も一生懸命に調べて事にあたる熱意はお客様にも確実に伝わっている」と清水さんは評価する。一方の今村さんは、最初から一気に信頼関係を築く、言わば「守破離」の「離」まで実現しているタイプだ。一見すると全く違う営業スタイルに思えるが、ライフタイムバリュー(顧客生涯価値 / LTV)の最大化という意味では、時間軸こそ違うものの、同じミッションに向かっていると言える。

人それぞれの営業スタイルを許容し、成長を促しているのは、社長である清水さんの懐の深さもあるのだろう。そんな「人を育てる」ことに長けている三ツ星ハウジングだが、情報共有の面では課題を抱えていた。後編では、ANDPADの導入から活用、現在に至るまでについて迫っていく。

三ツ星ハウジング株式会社
URLhttps://www.mitsuboshi-housing.com/
代表者清水 秀幸
設立2013年 5月
本社埼玉県児玉郡上里町七本木3652-2
取材・編集:平賀豊麻
編集:原澤香織、鯉沼愛実
執筆:野岸泰之
デザイン:森山人美、安里和幸
お客様担当:川鍋颯
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