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大東ガス|細やかな工程管理と情報共有が叶える新たなガス工事の現場〜前編〜

始まりはペーパーレス!地域インフラを支える創業60年の企業が挑む

目次

  1. 地域とともに60年 安心・安全な暮らしを届けるガス事業者
  2. 地元埼玉のインフラを支える誇りを胸に働く町田さん
  3. 紙ベースの管理から脱却 半年の移行期間で着実に浸透

ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーを称賛するANDPAD AWARDのユーザー部門。今回は、「ベスト工程表ユーザー賞」で全国第3位を受賞された、大東ガス株式会社 導管設備部内管工事課 主任の町田直樹さんにお話を伺った。

地域に密着し、創業以来60年以上にわたり都市ガスを供給し続けている大東ガス株式会社。埼玉県富士見市に本社を構え、12万件を超える顧客の安心・安全な暮らしを支え、地域の人々から厚い信頼を得ている。

本稿では、同社の導管設備部内管工事課に所属し、施工管理業務を担う町田さんの取り組みに焦点を当てる。元請企業からの要望やスケジュールに左右されがちなガス工事において、施工会社や設備会社の動きを把握しながら、いかにしてきめ細やかな工程管理を行っているのか。その難しさと町田さんの業務に対する姿勢や工夫を、トップユーザーの仕事ぶりとして紹介する。

地域密着でエネルギーインフラを提供する企業の工程管理や業務効率化の取り組みに関心のある、同業種で働く方にとって、自社の業務にANDPADを活用してどのように変革を起こせるか、具体的なイメージを掴むためのヒントになるのではないだろうか。前編では、町田さんが同社に入社するまでの経緯、長年続いてきた紙ベースの管理方法から脱却することを決断した大東ガスのDX推進背景と、ANDPAD導入の決め手、そして半年間の移行期間をどのように乗り越え、社内外への運用を浸透させたのかを掘り下げる。

 

地域とともに60年 安心・安全な暮らしを届けるガス事業者

──ANDPAD AWARD 2025「ベスト工程表ユーザー賞」3位の受賞、おめでとうございます! まずは貴社について教えていただけますでしょうか。

町田さん: 当社は1961年に設立してから、60年以上にわたって都市ガスの供給を続けてきました。エリアとしては東武東上線沿線を中心に、朝霞市・志木市・富士見市・三芳町・新座市・所沢市・入間市・川口市・東京都日野市・神奈川県座間市の一部地域を対象としており、12万6千件を超えるお客様に都市ガスをお届けしています。

近年では2016年の電力小売自由化に伴って、当社もいち早く電力販売を開始しました。「DAITOでんき」というブランドで、現在は1万件を超えるお客様にご利用いただいています。

大東ガス株式会社 導管設備部内管工事課 主任 町田 直樹さん

──年間で何件ほどの工事に対応されているんですか?

町田さん: 新規のメーター設置案件に対応している内管工事課では、年間約2,500件のメーター設置工事に対応しています。切り替え工事や移動・増設工事など、他の営業所が担当している工事も含めると、当社で対応している工事は年間で3千件以上になるかと思います。

中島さん: 本社がある富士見市を含む東武東上線沿いの施工エリアを”本社地区”と呼んでいるのですが、本社のある東上線みずほ台駅から池袋まで30分で着くので、利便性が良いんです。市でも区画整理をしている関係で戸建ての造成が多いので、都市ガスを採用いただいており、ここ何年かの設置件数はおよそ2千件で推移しています。

取材に同席いただいた大東ガス株式会社 導管設備部 次長 中島温人さん。2000年に同社へ新卒入社。現在は導管設備部内の取りまとめを行っている。

 

地元埼玉のインフラを支える誇りを胸に働く町田さん

──町田さんのご経歴についても教えていただけますでしょうか。

町田さん: 当社へは大学卒業後、2015年に新卒入社しました。大学ではITについて学んでいたのですが、就職先で生活に関わる身近なもの、欠かせないものは何かと考えたときに、インフラ業界が浮かびました。その中で地元埼玉の企業で地域密着に特化したガスに興味を持ち、当社へ入社を決めました。

入社してすぐは本管工事課に配属されて、道路に本支管を新設するための計画や積算、行政等申請や現場監督を経験しました。その後はエネルギーソリューション課に異動になり、お取引のある様々な分野のお客様に対して、契約の更新、ガスの使用量の管理、設備導入や移動・増設工事においてのガス工事の設計から工事の管理までを行っていました。2023年からは導管設備部の内管工事課に所属しています。

──貴社では社員の方の働きやすさを大切にされていると伺いました。実際に長年務められていて、働く環境について感じていることはありますか?

町田さん: 週休2日制で平均勤続年数も15.8年※と、長く勤めている社員が多いですね。残業することもあまりないですし、定時が17時なのですが、17時15分くらいになるとほとんどの社員が帰宅しています。以前は内管工事課でも遅くまで残業することもあったそうですが、私が入社してからはそういったこともなく、働きやすい環境だと感じています。

※参考:大東ガス株式会社 マイナビ2026 掲載情報より(2023年度時点)

──現在は内管工事課に所属されています。日々どういった業務に携わっていらっしゃるのでしょうか。

町田さん: 私が所属している内管工事課では、新築の戸建て・マンションや商業施設のテナントなどの、ガス工事や機器工事に関わる施工管理、工程管理、品質管理を行っています。新規でメーターを設置する現場が対象です。私は年間で100件ほど担当しているのですが、新築小口が7~8割で、そのほかの2割が集合住宅や商業施設のテナントです。

──貴社が都市ガスを供給している全エリアのメーター設置案件に、内管工事課が対応されているのですか?

中島さん: 座間や高幡にも営業所がありますので、戸建てや小さな工事は各営業所で対応してもらっています。ただ社内の決まりで、見積書の金額が社内規定金額以上の場合は、メーターが設置されている場合であっても、私たち内管工事課の監督者が現場に行くことになっています。

──ガス工事を通じて地域の安心・安全を守る中で、日々ANDPADを活用してくださっていることを嬉しく思います。今回の受賞の連絡を受けたときの町田さんのお気持ちについて、お聞かせいただけますでしょうか。また、中島さんがご覧になっている町田さんのお仕事ぶりについても、ぜひ教えてください。

町田さん: 自分では特に変わったことをしているつもりはなかったので、「どうして私が?」という気持ちでしたね。

中島さん: 内管工事課には町田を含め監督者が8人いるのですが、全員がANDPADの工程表を使いこなしてくれているので、滞りなく現場が進み、作業を完了することができています。

その中でも町田が規定通りに工程表を使いこなして、ステータスもこまめに更新しながら工程管理をしてくれていることは、高く評価するべきことだと思っています。今回の受賞に関して役員会でも話題に上がり、社内報に掲載する予定です。

──社内でも町田さんを称賛する流れができていて素敵ですね! 町田さんはどんなところに今のお仕事のやりがいを感じますか?

町田さん: お客様の日常を守っていることにやりがいを感じますね。生活の中でガスは当たり前にあるものですし、安全第一でなければいけません。その安全を守っていくことが使命ですので、なかなか評価されづらいところはあるかもしれませんが、ただひたすらに品質管理や安全管理を継続していくことが大切だと思っています。

 

紙ベースの管理から脱却 半年の移行期間で着実に浸透

──貴社では2022年よりANDPADをご活用いただいています。どのような経緯でクラウドシステムの導入を決断されたのでしょうか。

中島さん: ANDPADを導入する前は、長らく紙の工程表で管理をしていました。Excelで出力した工程表をファイルにまとめて、変更があれば手書きで書き込んでいたんです。しかし個人情報の漏洩リスクや情報共有に時間がかかるといった課題から、変革に乗り出し、クラウドシステムの導入検討をすることになりました。

──その中でもANDPADを導入することにされた、決め手のようなものがありましたら教えてください。

中島さん: 当時は住宅会社さんの環境下でいろいろなクラウドシステムを使っていたのですが、3〜4つ使っていた中で、私が一番使いやすいと感じたのがANDPADでした。工程表や資料などが分かりやすく、見やすいんです。住宅会社さんが頻繁にANDPADの情報を更新してくださっていたこともあり、とても使いやすかったです。課内の意見を聞いたときも、「ANDPADは使いやすい」と同意してくれたメンバーが何人もいました。

──ANDPADを導入いただいてから、社内外での運用を浸透させるまでにはご苦労もあったのではないでしょうか。

中島さん: 運用浸透に向けては、私とシステム担当である牧口とで進めていきました。ただいきなり管理方法を切り替えて、そのせいでお客様にご迷惑がかかるようなことがあってはいけないので、半年間を移行期間として、その間は紙とANDPADを並行して使っていました。

施工会社の方々には「2023年の秋から完全にANDPADへ切り替える予定なので、大変かもしれませんが、それまでに慣れてください」とお伝えしていました。その間にも社内外で説明会を開催したり、関係部署と施工会社の現場責任者の方と膝を突き合わせて打ち合わせを行い、運用の方向性を決めたりしていきました。

──施工会社さんから機能や操作について問い合わせを受けることも多かったのではないかと思いますが、どのようにフォローをされていましたか?

中島さん: 私と牧口で施工会社さん1社1社と話をしたり、直接現場に行って職人さんに ANDPADの使い方を説明したりしました。質問されたことに対しては必ず回答するようにして、私たちが分からなければアンドパッドさんに問い合わせていました。

アンドパッドさんからのサポートも本当に助けになりました。質問したことに対して丁寧に回答いただきましたし、真摯に対応してくださって、私や牧口にとっても心強かったです。本格的にANDPADを使いはじめて1年半経ちますが、運用方法も徐々に定着してきているところだと感じています。このまま上手く活用していきたいですね。

 

同社が長年続いていた紙ベースの管理方法から脱却を決断した経緯、そしてANDPADを導入する決め手となった「使いやすさ」について、さらに半年間の移行期間を経て社内外への運用を浸透させた推進者の方々の奮闘を紹介した。

後編では、ライフラインを支えるガス工事ならではの工程管理の難しさに触れつつ、町田さんのきめ細やかな工程管理術や、同社でのANDPADの活用方法を紹介。また、ANDPADの導入によって実現した、施工会社間や社内における情報共有の円滑化について深掘りしていく。

大東ガス株式会社
URLhttps://www.daitogas.co.jp/
代表者高嶋 英一
創業年1961年10月
本社埼玉県富士見市西みずほ台1-2-12
取材・編集: 平賀豊麻
編集: 原澤香織
編集・執筆: 金子結乃
デザイン: 森山人美、岩佐謙太朗
お客様担当: 梶原将義、吉川喜晴
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