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その“ひと手間”を惜しまない。太陽光営業の接客品質を遠隔で支える作図担当者のプロ意識

ANDPAD AWARD 2022「ベストアップローダー賞」3位/受賞ユーザーインタビュー

ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、ANDPADを最も使っているユーザーに対して贈呈するANDPAD AWARDのユーザー賞。今回は、「ベストアップローダー賞」全国2位を受賞された、日天株式会社の内山 宗久さんにお話を伺った。

同社は2001年創業(現会社設立は2009年)で、首都圏~東日本を中心に住宅用・産業用太陽光発電システムの販売・施工・保守を行っているほか、住宅用蓄電池や設備機器の販売・施工、住宅リフォームや点検業務など、住まいに関して幅広く事業を展開している。内山さんは同社から業務委託という形で、太陽光パネルの設置提案前の図面作成業務を行っている。

今回の取材を通じて、内山さんがANDPADを活用しつつお客様に寄り添い、プロフェッショナルな仕事に徹する姿が見えてきた。

 

INDEX

 

お客様の要望を汲みつつ、常により良い提案を図面に込める

──この度は受賞おめでとうございます。まず最初に、内山さんの簡単な経歴を教えてください。

内山さん: 高校卒業後、地元札幌で父親の経営する産業廃棄物用の焼却炉やボイラーを製造販売する会社に入社しました。当初は製図用のドラフターを使って焼却炉の設計図面などを描いていたのですが、もっと効率よく作業をするため、独学でCADを学び、使うようになりました。それで10年ぐらい前でしょうか、一時コンタクトセンターで働いていた時期があって、そこで日天さんがCADのできる人を探していたんです。できたのが自分だけだったので、業務委託として太陽光パネルの設置提案用図面を引き受けるようになりました。現在も父の会社の業務もこなしつつ、日天さんからの仕事も請け負っている状態です。もうだいぶ長いお付き合いで、その間ずっと図面作成のお仕事をさせていただいているので、私のことを日天さんの社員だと思っている方も多いみたいですね(笑)。

──ではあらためて日天さんの事業内容を教えていただけますか。

内山さん: 太陽光発電システムの販売、施工や保守を中心に、再生可能エネルギー事業を軸として展開しています。一般ユーザーに対するいわゆるBtoCだけでなく、企業向けのBtoBtoCまで幅広い領域でご提案ができるのが特徴ですね。営業支援の対応が可能で、再エネ販売に注力していない企業のニーズにも応えられます。また、太陽光パネルを設置して終わり、ではなく、住宅用については工事後のアフターメンテナンス事業も手がけています。さらには事業所向けの中規模~大規模設置案件にも対応可能なところが強みですね。

──そんな日天さんとする仕事の魅力はどんなところですか?

内山さん: コンタクトセンターで働いていた時は、BPOとして営業をやったりもしていたんです。その際、BPOという形態のため当然といえば当然ですが、発注者だからと「これだけお金を払ってるんだから、きちんと数字を上げて実績を出してください」というコミュニケーションをする会社が多かった。でもそんな中、日天さんは違って「どこまでできる?」「ここまでなら」「じゃあそれで行きましょう」と、相談しながら一緒にやっていこうというスタンスでした。それがすごく嬉しかったし、互いにパートナーシップを築ける関係だからこそ、今でも日天さんと仕事を続けているんだと思います。

──単なる委託元と委託先というだけでなく、互いに信頼関係を築けているのが素晴らしいですね。ところで、ご自身の仕事のやりがいはどんな時に感じますか?

内山さん: もともとは図面を描いて渡すだけの仕事だと思っていたのですが、ある時自分が手がけた住宅をグーグルマップで見たんですよ。そこからやりがいを感じたというか、意識が変わりましたね。自分は単に屋根の上の図面を描くだけだけど、その先にはエンドユーザーさんがいるんだ、と。そこからは、お客様からの要望よりももっとよくできないか、それにはどうすればいいか、を考えるようになりました。例えば「パネルを別のメーカーに変えて、こう配置すればもっとパネルが載って発電量も増えるし、電気代もこれぐらい得になりますよ」という具合に、作図をする立場だからこそわかることを営業の人に伝えて、実際に提案したりもします。

──そこまでお客様のことを親身に考えて図面を描いていらっしゃるんですね。ほかにも仕事上の喜びはありますか?

内山さん: 複雑な形状の屋根の依頼が来た時ですかね。最初は「こんなの無理」って思うんですが、最終的には必ず描けるんですよね。最後に線がパチッと合うと、すごく気持ちがいいんです。

──逆に苦労する点や、大変だと感じるのはどんなところですか。

内山さん: ソーラーパネルはメーカーごとに大きさや規格が異なり、それこそ千差万別なんですよ。メーカーごとに分けて作図をすることになるので、どうしても図面の枚数が増え、たくさん描く必要があるのが大変ですね。ちなみにメーカーごとに専用のソフトが違うので、A社のパネルを使う時はA社のソフト、B社のパネルならB社のソフトという具合に、それぞれ別のソフトで作業をする必要があるのも、慣れはしましたが大変といえば大変な点ですね。

 

大量かつスピーディーな仕事で営業の提案業務をサポート

──改めまして「ベストアップローダー賞」全国2位の受賞、おめでとうございます! 今回の受賞について、どんな感想をお持ちでしょうか。

内山さん: 最初にアンドパッドさんから受賞を知らせる電話が来た時には「俺、何か悪いことしたかな?」って思いましたよ(笑)。ベストアップローダー賞だと聞いて、日天さんの社内では「そりゃそうだよな」って納得の声が挙がっていたらしいです。確かに図面をたくさんANDPADにアップロードしていましたので。

アンドパッドの佐々木から内山さんに、表彰状をお渡ししました。

──具体的にはどんな図面や資料をANDPADにアップロードしているんですか?

内山さん: 私が請け負う仕事には、対法人と対個人という2種類のお客様がいます。その両方に対して、日天の営業さんが太陽光パネルの販売・設置提案をするわけですが、その提案前の図面作成を行っています。先ほども触れましたが、太陽光パネルはメーカーによってサイズが異なるため、数社提案するとそれだけで図面の枚数が多くなります。加えて蓄電池の有無などのバリエーションも添えると、さらに枚数が増えるんですね。それをすべてANDPADにアップロードしているため、今回の受賞につながったのかなと思います。

また、提案時の図面と実際の寸法では微妙にずれていることもあるんです。そういった時は日天さんから「このパネルや材料で間違いなく載りますか?」と確認の連絡が入ることがあります。そういう場合はもう一度作図して検証し、その図面をアップすることになるので、また枚数が増えるんですね。

──お客様への価値提供意識が高く、お客様にとってより良い提案をしたい、という想いが強いからこそ、自然と提案パターンが多くなり、結果的に非常に多くの図面をANDPADにアップされているんですね。ちなみに1年間でどれくらいの数の案件に対応されているのでしょうか。

内山さん: 2022年の例でいうと、1307案件ですね。1つの案件について、シンプルな四角い屋根だと10分ぐらいで図面は描けます。ただ、以前に比べて最近はメーカーが増えてきたので、複数の図面を描くことを考えると最低でも1件20分はかかりますね。日天さんに聞いた話では、メーカーに図面の作成をアウトソースした場合は1週間かかることもあるみたいです。

──それだけ営業さんの見積もり提案スピードも早まるので、日天さんとしては本当に助かっているだろうなと想像できます。ちなみに太陽光パネルの設置となると、周辺環境の条件も重要になるのかなと思います。物件によっては、周囲に高い建物がある、なんて場合もあるのでしょうか。

内山さん: はい。例えば北東側にとても高いビルがあるといったように、現地調査の結果やグーグルマップなどでわかっている場合もあります。そういう時は、10時から15時に影はこうやって流れますよ、という図面も描いたりします。同時に、影がかかると稼働率がこれくらい落ちますよ、と、メーカーごとやパネルの配置ごとに計算したものを比較して、それも提出したりしますね。

──とてつもなくお客様想いであり、非常にプロフェッショナルに徹した動きですね。それに営業さんにとってもありがたいですよね。では実際、1日の仕事の流れはどんな感じなのか教えてください。

内山さん: 作業時間は基本的に9時から18時としていますが、8時30分ごろからメールのチェックを始め、アプリを立ち上げたりして準備します。パソコンはデュアルモニターで作業していて、左のモニターで作図を行い、右のモニターでANDPADを開いています。

作図を行う左のモニターには、画面右下にカウンターを設置して、図面を描くのにどのくらいの時間がかかったかを記録しています。これまでのタスク処理時間もすべて記録していて、もっと早く作業できないかな、と常に考え改善を重ねています。記録が溜まっていくので、新しいご依頼をいただいたときに「このくらいの時間でできそうかな」といった工数予測の精度も高まってきている気がします。

──リモートワークの性質上、作業環境としてはお一人で日々お仕事をされているからこそ、ある意味でゲーム性を持たせながら、現状に満足しないために楽しむ工夫をされていらっしゃると受け取りました。常にパフォーマンス改善に向けた努力をされているんですね。

内山さんの作業風景。画面右下に見えるのが、タスク処理時間を計測しているカウンター。

内山さん: 日天の営業さんからの作図依頼はメールで届くのですが、メールが来たらすぐにANDPADで案件を作成します。案件内に作業用のフォルダを作り、その下層に日付ごとのフォルダを作成し、あとは完成した図面をどんどんアップロードしていく、というのが仕事の流れですね。

──モニター2台の使い分けなども工夫されながら、非常にスピーディーに業務を進めているんですね。ところで、ANDPADを使い始めた時の印象はどんなものでしたか?

内山さん: 以前に別のSaaSを使っていたこともあって、細かな違いはあってもあまり抵抗なく移行できたかなと思います。そもそもCADの時もそうでしたが、知らないソフトを触るのが好きなんです。「これで何ができるんだろう? あ、こういうことができるのか」みたいな感じで、説明書も見ずにあれこれ試して覚えるのが楽しいんです。面倒くさいな、という気持ちより、何ができるんだろう、というプラスにとらえる気持ちのほうが大きいですね。

──使ってみて、ANDPADのここがいい、と感じるのはどんなところですか?

内山さん: ANDPADはアップロードがとにかく速いのがいいですね。以前使っていたSaaSに比べても圧倒的にスピードが速いので、ストレスがなく助かっています。今の作業のやりとりを全部メールでやろうとすると、とんでもない量と手間がかかるので、クラウドサービスは絶対に必要だし、重要だな、と感じています。

──営業の方から依頼があった際、現調時の情報として足りないものがある場合などもあったりしますか?

内山さん: ありますね、屋根の素材がわからなかったり。そういう場合にはグーグルマップやストリートビューでその場所を見に行って、ある程度当たりを付けつつ作業をして「この部分はこういう想定で描いています。かならず現調で確認をお願いします」と日天の担当者さんに伝えるようにしています。

 

「頼んでよかった」と思ってもらえる仕事を、これからも

──今後の抱負や、チャレンジしてみたいことなどがあれば教えてください。

内山さん: 新しいソフトに触るのが好きなので、最近は少しずつ3D CADも練習しているんですよ。将来それも使いこなせたらいいな、と思っています。父親の会社はボイラーや焼却炉をメインとしつつ破砕機の製造もしているので、これから増えるであろう太陽光パネルの廃棄とつなげたり、リサイクルで連携するなど、環境負荷軽減やSDGsの観点からも、どこかで父親の会社の事業を通じて日天さんにお世話になった恩返しというか、共同でできることがあればやりたいな、と考えています。

──それはとても素敵な考えですね。最後に、これからCADを使ってお仕事をされる方へのメッセージをお願いします。

内山さん: 以前日天の社員さん向けの研修で、CADの使い方を教えたことがあるんです。その際CADを使う仕事というだけで「あ、私できません」って反応をされたこともありました。でも実は使えると楽しいと僕は思ってるんですよ。その想いを共有したいと思うし、使えればやりがいにもつながると思うんです。だから日天さんでの研修などをもっとできれば、と思いますね。やる気さえあれば、誰にだって使いこなせるんですから。

私自身も常に新しい知識や技術を吸収しながら、変わらず、エンドユーザー様にとって最善となるようなご提案を、作図を通してやっていきたいですね。いろいろな面で「内山さんに頼んでよかった」と思ってもらえる仕事をしていきたいと思います。

今回の取材を通して、太陽光パネルの設置提案前の図面作成業務について詳しく伺うことができた。ただ、仕事内容の詳細についてはもちろんだが、それ以上に内山さんのプロフェッショナリズムあふれる働きぶりに感服した。内山さんは作図という作業を通じて、エンドユーザーにとってよりよい選択肢を提案し、スピーディーな対応によって営業の見積もり提案の速さも遠く北の大地からテレワークで下支えしている。こうした縁の下の力持ちとして建設業界を支えてくださっている方々がいることを改めて実感できたことは、私たちにとっても大きな気付きとなった。ANDPADは引き続き、こうした方々の業務効率向上に貢献し、業界全体の働き方がよくなっていく未来に向けて尽力していきたい。

この度は入賞、誠におめでとうございます。

どんなことができるのだろうか、もっと良い使い方はないか、と日々好奇心を持ちながら、ANDPADを使って業務をされていた様子が非常に印象的でした。

今後さらに、内山様の創造性ある業務をサポートできるよう、我々も努めてまいります。

日天株式会社
URLhttps://www.nitten-solar.co.jp/
代表者髙瀨 和明
設立2009年4月
所在地神奈川県横浜市港北区新横浜1-7-9友泉新横浜1丁目ビル1F
取材・編集:平賀豊麻
編集:原澤香織
執筆:野岸泰之
デザイン:森山人美、安里和幸
顧客担当:佐々木 遼
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