ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、最も活用度の高いユーザーを表彰するANDPAD AWARDのユーザー部門。ANDPADの報告機能を最も活用したユーザーに贈る「ベスト報告ユーザー賞」で第3位を受賞した、第一企業中央株式会社 業務部の佐々木道さんにお話を伺った。

第一企業中央株式会社は今年創業50周年を迎えるビルメンテナンス会社である。オフィスビルの定期清掃業務をメインに、駐車場の清掃や設備業務、病院の電話交換なども手掛ける。受賞ユーザーの佐々木さんは、同社でオフィスビルと駐車場の清掃業務に10年以上従事。そのうち、駐車場の清掃業務において、元請け企業である大栄不動産株式会社の環境下でANDPADを活用している。
佐々木さんは同僚の皆様とともにANDPADの報告機能を徹底活用。ANDPADを通じて駐車場の清掃状況をこまめに報告し、業務においてなくてはならないツールになっていると語る。さらに元請け企業である大栄不動産株式会社からも、佐々木さんをはじめとする作業者の方々からの報告によって、現場の状況がよくわかり、安心できていると高い評価を得ている。元請け企業から喜ばれる報告の背景には、どのような工夫があるのだろうか。前編では第一企業中央株式会社 代表取締役社長の細川泰平さんと、業務部の佐々木さんに、同社の強みと佐々木さんのお仕事ぶりについて伺う。

清掃業務を主軸に50年続くビルメンテナンス会社
──この度は、ANDPAD AWARD 2025 ユーザー部門「ベスト報告ユーザー賞」3位の受賞、おめでとうございます。まずは貴社のお仕事について教えてください。
細川さん: 私の父親が創業した当初から、ビルメンテナンスを主軸に清掃業を展開しています。なんでも、父が友人と飲み屋で飲んでいた際、ガラスがあまりにきれいでぶつかりそうになり、こういった仕事があるのだと感動したことがきっかけで創業したと聞いています。創業から50年経った今も、清掃業務が主軸となっています。

第一企業中央株式会社 代表取締役社長 細川泰平さん
──主にオフィスビルの清掃がメインの業務だと伺っています。どのようなエリアのお仕事が多いのでしょうか。
細川さん: 東京23区内がほとんどですが、そのほかにも東京都下と千葉、神奈川でも数件のビルをお任せいただいています。
──社員の方は何名ほどいらっしゃるのですか? また、ビルメンテナンス業や清掃業全体において人手不足が課題になっていますが、人員確保に悩まれることはないでしょうか。
細川さん: 社員数は120名で、そのうち事務職が6名、それ以外の方は現場の作業者です。建設業や同業他社さんは人手不足と聞いていますが、当社では1年以上、人材を募集していません。入社される方のほとんどが紹介で来られるため、業界では恵まれている方だと思います。
佐々木さん: 現場単位でのつながりが強く、私は話好きなこともあって、現場で別の会社の作業者の方と話をすることもあります。そういった場での話から当社に興味を持って、紹介という形で入社される方もいるのかもしれません。

第一企業中央株式会社 業務部 佐々木 道さん
約60現場を担当! 清掃の現場を支える佐々木さんの仕事ぶり
──お二人のことについても質問させてください。細川さんは2代目社長を務めていらっしゃいますが、貴社へはいつ頃入社されたのでしょうか。
細川さん: 当社へ入社したのは2013年です。大学卒業後は、重機メーカーで3年間営業を経験しました。その後、父が倒れたのを機に、会社を継ぐことを考え始めたのですが、まずは修行として大手のビルメンテナンス企業で3年間働きました。今は社長業と並行して、元請け企業様へ送る見積書の作成や各種やり取りなどを行っています。
──重機メーカーでの営業経験と、大手ビルメンテナンス企業での修行期間を経ての社長就任だったのですね。佐々木さんはどういった経緯で入社されたのですか?
佐々木さん: 高校卒業後、アルバイトとして長らく清掃業に携わっていました。知人が細川社長と知り合いで、当社を紹介してもらったのがきっかけで、2010年に入社しました。現在は駐車場の清掃とオフィスビルの定期清掃を担当しています。

──佐々木さんは現在、いくつの現場を担当されていらっしゃるのでしょうか。
佐々木さん: 現状、オフィスビルの定期清掃と駐車場の清掃を両方やっているのは当社では私だけなのですが、オフィスビルは約20現場、駐車場は約40現場担当しています。一部、病院の駐車場も担当していますが、ほとんどはコインパーキングか月極の駐車場です。コインパーキングは月に2回か4回清掃することになっており、月極の駐車場は月1回の清掃がほとんどです。
──駐車場によって清掃するペースが違っているのですね。どのエリアの現場が多いのですか?
佐々木さん: 私が担当している現場は、23区内では世田谷区、目黒区、大田区近辺、あとは郊外の東京都下が中心です。清掃道具を積んだ車で移動しています。
──オフィスビルの現場と駐車場の現場を効率よく回る必要がありそうですが、1日のスケジュールをどのように組んでいるのでしょうか。
佐々木さん: 基本的には、午前中に駐車場の清掃を終えて、午後はオフィスビルの清掃を行っています。ビルの定期清掃は日によって床を掃除する日、ガラスを掃除する日などと決めていて、ビルの清掃に時間がかかりそうな日は駐車場の現場数を減らすなどして調整しています。多い時は1日に15現場を回ることもあります。

「清掃を超えた対応力」が元請け企業から選ばれる強みに
──貴社では大栄不動産様のパーキング事業部から駐車場の清掃業務を請け負っており、その報告においてANDPADをご利用いただいています。大栄不動産様とはいつ頃から、どういった経緯でお取引が始まったのでしょうか。
細川さん: お取引がはじまったのは2015年からです。大栄不動産様では通常の清掃業務に加えて、駐車場番号の塗装の補修や、蛍光灯の交換、異変があった際の報告など、保守の業務も希望されています。当社では可能な限りこれらに対応しているのが、お取引が続いている理由の一つだと考えています。
──清掃だけではない、細やかなお仕事が喜ばれているのですね。佐々木さんは今回の受賞のことを知ったとき、どのような感想を持たれましたか?
佐々木さん: 嬉しかったです。同じく大栄不動産様の駐車場の清掃を担当している同僚社員からANDPADの活用方法をよく教わっているので、同僚と一緒に受賞したような気持ちでいます。
細川さん: 佐々木さんは真面目で、安心して仕事を任せられる方だと感じています。駐車場の清掃業務においても、自分で対応できそうなものはその場で迅速に対応して、その後写真とともに報告してくれています。
こういった仕事ぶりに対して、大栄不動産様からもよくお褒めの言葉をいただきます。以前、当社ではなく別のビルメンテナンス会社さんが担当している埼玉の現場に、指導のために佐々木さんも同行してもらえないかと大栄不動産様から連絡をいただいたこともあります。

──先ほど細川さんが、駐車場の番号の補修や、蛍光灯の交換などにも対応するとおっしゃっていました。清掃だけでなく、幅広く対応されているのですね。
佐々木さん: はい。例えば、コインパーキングで長期に駐まっている車がないかを確認することも仕事の一つです。料金精算機を操作して全車両の駐車料金を調べ、長期間駐められている場合は張り紙でお知らせします。車が40台駐車しているときは40回精算機を操作する必要があります。駐まっている車が多い時間帯だと、それだけで時間が大幅に取られてしまいますね。
──そういった作業を効率良くこなすために、何か工夫をされていらっしゃるのでしょうか。
佐々木さん: 駐車場の清掃は早朝に行うようにしています。早朝だと駐車している車も少ないですし、道路が空いていて移動もしやすいためです。特に駅前や繁華街の近くなど、人通りが多い駐車場はゴミが多いのですが、早い時間なら車も少ないので掃除がしやすくなります。
また作業時は駐車場の前に自分の車を停めることが多いため、お客様が駐車場を出入りされるときには先に気づいて車を移動させるようにしているのですが、その点でもお客様が少ない時間の方がスムーズに作業を進めることができます。

──冬場になると早朝は暗いと思うのですが、作業の仕方も変わるのでしょうか。
佐々木さん: 照明設備が夜間でも問題なく点灯しているか点検を行っているのですが、朝に清掃をした後、夜の時間帯に再度確認をしに行く必要があります。ただ、冬場の朝は暗く照明が点いているため、夜に確認をしに行く手間がないというメリットがあります。照明器具に不具合があった際は、蛍光灯交換など自分でできる対応は行った上で、ANDPADで大栄不動産様へ報告します。以前は蛍光灯が主流だったため頻繁に不具合がありましたが、LEDが主流になりだいぶ楽になりました。
──春夏の雑草対応や、暑さや寒さで大変なことも多いのではないでしょうか。
佐々木さん: そうですね。春になると雑草が出てくるため、2~3月頃には除草剤を撒いています。
細川さん: 昨年の冬は雪が多く、融雪剤の散布も行いました。大雪予報が出ると、特に坂道の途中にある現場などは先手を打って散布しています。
佐々木さん: サクラやイチョウの季節は綺麗なのですが、掃除のため作業は増えますね。今年もまたこの季節が巡ってきたなと感じながら仕事をしています。やはり担当現場が綺麗になれば気持ちがいいですし、大栄不動産の方や駐車場を利用するお客様からお褒めのお言葉をいただけるとやりがいを感じます。

清掃業をメインにしながら、保守作業までカバーすることで元請け企業からの信頼を得ている第一企業中央株式会社。人手不足の時代に紹介で人材が集まるのは、働く人からも支持される企業の証である。清掃業務に留まらない佐々木さんのきめ細やかな仕事ぶりは、元請け企業から高く評価され、自身のやりがいにも繋がっている。後編では、佐々木さんの多岐にわたる業務における具体的なANDPAD活用法を深掘りし、報告フローの改善による同社の働き方の変化に迫る。
| URL | http://dk-chuo.jp/index.html |
|---|---|
| 代表者 | 代表取締役社長 細川泰平 |
| 創業 | 1975年8月 |
| 所在地 | 東京都港区芝大門2-12-7 |
















