本企画では、「ANDPAD AWARD 2021」の各部門の受賞者に会いに行き、仕事へのこだわりやANDPAD活用術などを教えていただきます。今回は、「ビルディング 総合賞 社内ユーザー部門」全国1位を受賞された、株式会社ヴィガーサービス 有里風香さんのインタビューを前後編でご紹介いたします。
同社は、収益不動産業を担うヴィガーコーポレーションのグループ会社として2017年に設立され、収益不動産に特化したリフォーム事業を全国各地で展開されています。今回のインタビューには、創業者である代表取締役・青柳 元さんにもご同席いただきました。前編では、同社設立の背景、事業の特徴や強み、ANDPAD導入の際どのように運用を構築されていったのか、運用面での工夫点について教えていただきました。
有里 風香氏
INDEX
収益不動産に特化したリフォーム事業を展開
――まずは、「ANDPAD AWARD 2021 ビルディング 総合賞 社内ユーザー部門」全国1位受賞、おめでとうございます! 受賞について社内の方から反応はございましたか。
有里さん: 会社のみんなから「凄いね!」という言葉をいただきました! 日々仕事をするなかで、大きな自信にもなりました。弊社の工程表は全件私が作成しているので、作成数1位と伺って、そんなにつくっていたんだなと驚きつつ、素直にとても嬉しいです!
株式会社ヴィガーサービス代表取締役 青柳 元氏、同 有里 風香氏、株式会社アンドパッド カスタマーサクセス部 リーダー 伊藤 勇汰
――受賞について代表取締役である青柳さんにも大変喜んでいただき、有里さんが構築されたANDPAD運用のノウハウをぜひご紹介いただけると、今回の取材もご快諾いただき、大変ありがたいです。有里さんの業務について伺う前に、貴社について伺いたいのですが、まず、創業の経緯について教えていただけますでしょうか。
青柳さん: 収益不動産専門の不動産会社に就職し、仲介業の賃貸管理の部署で9年間勤めました。ここまではやるけどここから先のサービスはやらない、というようなルールが厳しく、制約の多い会社だったので、お客様のためにやりたくてもできないことが多かったんです。そこで、2016年に独立してヴィガーコーポレーションを立ち上げて、収益不動産専門の不動産管理業をスタートしました。
次第に入居者さんからの不具合のご相談や、入居・退去時の原状回復の業務の割合が増えてくるようになりました。元々そのための部署は設けていましたが、一法人として運営したほうがいいのではないかと判断し、2017年に原状回復や入居者さんの修繕工事に特化した会社として、ハッピーサービスという会社を設立。2018年に、ヴィガーグループとしてわかりやすくするために、賃貸の不動産管理はヴィガーコーポレーション、修繕や大規模改修工事はヴィガーサービスという2本柱の体制を構築しました。
青柳 元氏 株式会社ヴィガーサービス代表取締役
――リフォーム工事と不動産管理とでは、お客様もそうですが社内の働き方も異なりそうですね。分社化の背景として、組織設計の観点もあったのでしょうか。
青柳さん: そうですね。リフォーム事業と不動産事業では仕事の仕方が全然違います。リフォーム事業の場合は、朝6時くらいから動かれている職人さんもいらっしゃいますし、不動産事業だと夕方以降に入居者さんに電話したりもするので、働く時間帯も異なります。
また、これはANDPAD導入のきっかけにも繋がる部分ではありますが、入居者さんや大家さんへの連絡と職人さんへの連絡など対応方法の違いもありますね。不動産業界はFAXやメールなどでのやりとりが中心ですが、職人さんはメールの見方が分からないという方も多く、従来は対面か電話でのやりとりをしていたので、別々のアプローチにしてきました。
――貴社の特徴や強みについて教えてください。
青柳さん: 収益不動産に特化していることですね。自社で物件を保有して大家業も自分たちでやっています。こちら側が収益性だけしか見ないビジネスをやってしまうと、どうしても大家さんとの間で食い違いが起こってしまいます。弊社は収益不動産に特化したリフォーム会社として大家さんと同じ目線で仕事をしているので、大家さんにとっても話が早くて安心して任せていただきやすい。だから、地場のリフォーム工事は請け負っていません。収益不動産は投資家様が物件を購入されるので数字にはシビア。ある意味数字しか見ていない部分もあります。だからこそ、自社でリフォームを手掛けるほうが「ここまでやってほしい」とか、逆に「ここまでで止めてほしい」というご要望を汲み取れますし、お客様の望んでいるものが出来上がる。工事なども協力業者さんよりも社内でできたほうが安価でご提供できます。
お陰様で少しずつ物件が増えてきており、札幌から京都まで遠方のお客様ともお取引させていただけるようになりました。大家さん、全国の協力業者さん、入居者さんがwin-winになる関係を築いています。
ーー貴社が提供されている、収益不動産ならではのサービスはございますか。
青柳さん: 入居者さん専用のアプリを入れています。日中は電話が繋がらないことも多いので、入居者さんとアプリのチャットで日程調整などを行なっています。また、入居者さん向けには24時間対応のコールセンターもあるので、万が一のトラブルなどが発生しても安心です。
大家さんと入居者さん双方のメリットになることとしては、弊社では巡回点検も強化しているので、例えば共用灯が切れている場合などもすぐ対応できます。入居者さんから連絡が入ってから一から業者探しを探すとなると、対応も遅くなってしまうし、緊急性が高い分コストも高くなる。ある程度前もって動いていれば、費用も安く、迅速に対応することができます。
実務者目線でANDPAD運用ルールを構築
――では、ANDPADを含めたデジタルのご活用について伺いたいと思います。リフォームマネジメント事業、テナントマネジメント事業にてANDPADをご採用頂いた背景と、貴社におけるデジタル活用の目的について教えてください。
青柳さん: 生産性を向上させるためには情報の一元管理が一番だと考え、ANDPADを導入しました。これまではExcel、メッセンジャーアプリ、メールなどさまざまなツールを使っていましたが、一つにまとめることで業務効率が上がれば、その分の時間を使って違う仕事ができますし、お客様にご提供できるサービスもどんどん向上させていけるはずですからね。
――貴社は運用ルールが職人さんにもしっかりと浸透していらっしゃる印象ですが、ANDPAD導入時はどのようなアプローチで運用を浸透させていったのでしょうか。
有里さん: 導入時の説明会の時にアンドパッドさんからご提案いただいた内容を端折らず、愚直に全部やりました。社員も職人さんも使い方がよくわからない状態からスタートだったので、「ANDPADを活用しましょう!」と握り、分からないことがあればチャットでアンドパッドさんにも質問を繰り返しました。その結果、1〜2ヶ月で原状回復のメンバーにANDPADの運用が定着し、ANDPADに資料や工程表が入っていて「ANDPADを見れば全部分かる」状態を構築できました。
有里 風香氏 株式会社ヴィガーサービス
――現在のANDPAD運用に至るまで試行錯誤もあったかと存じます。有里さんが工夫されたことや、心掛けていたことを教えてください。
有里さん: キーボックスの位置、外観、駐車場の位置といった、日々業者さんから電話で問い合わせがある項目をANDPADに入れる運用にしていることです。ANDPADを使いながら、入れた方がいいと感じた項目をブラッシュアップしていきました。業社さんの予定を確認したら、それらの項目を全て入れ、工程表の日付を打ち込み、予定の前日に念のため漏れがないか確認しています。
ヴィガーコーポレーションは賃貸革命という賃貸管理ソフト、弊社はANDPADと、それぞれの事業に合ったシステムで一元管理をしていますが、横断で情報共有ができるようTrelloを利用して物件情報を管理しています。Trelloのカードに案件ごとにANDPADのリンクを貼り付けて、フェーズ管理を行っています。
青柳さん: 有里さんは今年度の新卒入社ですが、前年の夏からアルバイトとして働いてもらっていています。ANDPADを導入する際も、後々担当する業務ということで本人がやりやすい運用を考えてもらいました。工程表の区分けの仕方や、公開範囲の設定なども率先して提案してくれましたし、職人さんとのコミュニケーションのたびにチャットで「ありがとうございます」とお礼を伝えるというのを徹底しているのも、有里さん自身が考えて実行していることなんですよ。当時は電話対応に苦手意識を持っていたそうですが、だからこそなるべくANDPADのチャットを活用して効率良くコミュニケーションが取れるように工夫できているところもあると思います。まさに有里さんは弊社のDX人材ですね。
後編では、ANDPAD導入後の業務の変化、有里さんの仕事のこだわりや具体的にANDPADをどのようにご活用しながら業務効率化を図っていらっしゃるのかについて紐解いていきます。
URL | https://www.vigor-corp.co.jp/vigor-service |
---|---|
代表者 | 代表取締役 青柳 元 |
設立 | 2017年 |
所在地 | 〒274-0065 千葉県船橋市高根台7-11-10 |