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株式会社カワムラ|創業100年を超える住宅会社の、社員満足度地域No.1に向けた挑戦

〜vol.1〜地域密着、長い歴史のなかで培われてきた圧倒的強み

目次

  1. 建具屋・設備代理店のルーツを活かし、高性能住宅を手掛ける
  2. 大工育成に注力し、さまざまな形でのキャリア形成をサポート
  3. 入社20年目 、福岡さんの目から見る会社の変化

北海道旭川エリアを拠点に、建具製造業をルーツにもつ住宅会社として創業100年超を誇る株式会社カワムラ。「thoughts to all」という想いを大切にしながら、「北海道の住まいの相談窓口」として新築事業やリフォーム事業、さらに不動産事業を手掛けている。新築住宅の引渡し件数は累計で3,200件を突破(2022年9月時点)。1996年から北海道認定高等職業訓練校カワムラマイスタースクール(現 北海道・大工養成塾)を開校するなど、業界全体の課題である人材不足に対しても早期から精力的に取り組み、地域の豊かな暮らしを支える存在だ。

同社は2019年よりANDPADを導入し、「ALTA Revolution」とANDPAD引合粗利管理のサービス連携開始に伴い、積算から実行予算の作成においてもデジタル活用の幅を広げている。今回は、工事本部 増改管理チーム 部長 福岡 守さんにインタビューを実施。vol.1では、創業100年超という長きに渡って培われてきた同社の強みに迫る。

福岡 守氏
株式会社カワムラ 工事本部 増改管理チーム 部長
大学卒業後、2003年同社に新卒入社。入社20年目。新築部門の営業を経て、工事管理を担当。一級建築士を取得後、アフターサービス部門に異動し、責任者を務める。リフォーム部門の立て直しのためにリフォーム部門の営業として活躍。その後、リフォーム部門の工事責任者となり、現在に至る。

建具屋・設備代理店のルーツを活かし、高性能住宅を手掛ける

かつて建具屋が地域産業として栄えた街、北海道旭川市。大正7年(1918年)に創業した株式会社カワムラも、建具屋をルーツに持つ会社だ。戦後は事業継続のために、さまざまな大手設備・建材メーカーの販売代理店として事業を展開。創業してから一貫して家族経営であった同社だったが、先代の末弟で、ゼネコンで一級建築士として活躍していた川村 隆さんが家業に入ったことをきっかけに家づくりをスタート。北欧住宅を研究していた川村 隆さんが、寒さの厳しい北海道での住宅づくりに必要な断熱性、気密性、全室暖房、セントラルヒーティングの4つの要素を取り入れたノース工法を提唱したのは50年前のこと。北海道においても住宅性能はそこまで高くなかった時代から断熱性能にこだわり続けてきた。

 福岡さん: セントラルヒーティング部門も設けて、材工一貫で手掛けていました。セントラルヒーティングは定期的にボイラーのメンテナンスが必要です。そのためボイラーメンテナンス部門も設け、お客様と保守契約を結ぶことで、かなり早い段階からOBとのタッチポイントを設けることができていました。

また当社は在来工法のため、多様なリフォームに対応することができます。2×4(ツーバイフォー)工法やパネル工法は、壁が取り払えないなどの理由から理想のリフォームができないケースも。長年リフォームを手掛けているからこその対応力も、当社ならではの強みになっています。

株式会社カワムラ 工事本部 増改管理チーム 部長 福岡 守氏

現在は、新築・リフォーム事業のみならず、不動産事業など幅広く事業を展開する同社。建具屋としてだけでなく、設備・建材の販売代理店をルーツとしていることから、設備・建材の仕入れ方法において他社と一線を画している。

福岡さん: 設備・建材の販売代理店だった背景から、大手メーカー様数社と直取引が可能です。年に一度共同コンペを行い、その年の商品仕様や店舗で展示する商品を同じメーカーで統一しています。一括で仕入れることによって単価を抑えられているのは、販売代理店だったことによる強みですね。

大工育成に注力し、さまざまな形でのキャリア形成をサポート

時代に先駆けて高性能住宅を手掛けてきた同社にとって、技術力のある大工は生命線とも言える重要な存在だ。なにより、建具屋として職人を抱えていた時代から、大工が肝であるということは会社のDNAに刻まれている。大工の高齢化が進むにつれて技術の継承に危機感を持つようになり、1996年から「北海道認定高等職業訓練校 カワムラマイスタースクール(現 北海道・大工養成塾)」を開校した。この大工養成塾で5年間修業を積んだ社内大工は「カーペンター」と呼ばれている。社内大工は独立後も同社の外部パートナーとして活躍する人も多い。

福岡さん: 独立して「稼げる大工」が減っていますが、若手の大工さんを育成するには時間がかかります。道具を置く位置や作業スペースの整理整頓といった行動や考え方などを工夫できるようになると、グンと生産性が向上して3倍稼げるようになる。これが「稼げる大工」につながる一つの方法だと思うので、みんなにも大切にしてほしいと伝えています。

今、当社が一緒に仕事をしている外部パートナーの専属大工は25名。元カーペンターで独立した大工さんも多いです。親方の下に元カーペンターが子方としてついていることも。

社内では、カーペンターから工場勤務になるケースもあります。実際に働いてみて営業職が合わず管理部門へ異動するなど、“社内転職”も場合によっては進めています。せっかくご縁があって入社してもらったので、職種が合わないという理由で退職となってしまわないように、働きやすい環境を提供しています。

また、高い品質を担保するために、同社では安全パトロールを2週間に1度実施。社長または専務、部門長、工事管理者、設計の4名体制で、抜き打ちで行っている

福岡さん: 現場が安全で綺麗でないと作業効率が悪くなり、結果的に私たちも大工さんも稼げなくなってしまいます。安全パトロールの取り組みを通して、現場での喫煙ルールやヘルメット着用などについてしっかり伝えていくことで、現場がますます綺麗になっています。

社長や専務は現場でも気さくに大工さんに話しかけていたりと、大工さんとの関係性構築の一環としての役割も。指摘事項については、われわれ部門長クラスがしっかり確認しています。若手社員と一緒に現場を回って、品質管理チェックシートをもとに確認時の勘所を教えています。

入社20年目 、福岡さんの目から見る会社の変化

大工育成に注力し、一人ひとりが働きやすいさまざまな形でのキャリア形成をサポートしている同社。入社20年目になる福岡さんも、実は “社内転職”経験者だ。

福岡さん: 私は入社後、新築部門の営業として配属されましたが、1年半経っても1棟も売れませんでした。「もう会社にいられないのかな……」と思っていたときに、とある先輩が工事管理に引っ張ってくれたんです。そこで新築の工事管理を1年半、リフォームの工事管理を4年担当し、1級建築士の資格を取得。その後アフターサービスの部署に異動し、一級施工管理技士の資格も取得しました。その後、2013年には、売上不振が続いていたリフォーム事業部へ異動し、私を含めた当時の各部門長3名が営業に抜擢されました。先代、現相談役からの期待にしっかり応えたいという想いでメンバーと切磋琢磨し、3名とも大きな結果を残しました。その甲斐もあり、私の売上がリフォーム部門でNo.1に。ちょうどその頃に現社長が家業に戻ってきて、リフォーム工事管理の責任者を任されることになりました。

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 1年半で1棟も売れなかった新卒営業マンだった福岡さんだが、工事管理に異動して経験と知見を積んでアフターメンテナンス部門の責任者となり、リフォーム事業部の店長として1億円超を売り上げるまでに。製版を統括できる工事責任者としての経験があることは大きな強みであり、現在の業務にも大いに役立っているという。

社員一人ひとりの最適なキャリア形成をサポートしている同社だが、福岡さんが入社した頃は家族経営色が強く、非一族社員のモチベーション管理は大きな課題だった。2年前の社長の代替わりをきっかけに大幅な組織体制の変更を行い、評価指標のオープン化や賃金ハンドブックの作成、若手が即戦力となる教育体制を整えていった。それにより社内でのキャリアパスが明確になり、社員のモチベーションもアップ。今では社員が会社を愛することができる組織へと進化している。

vol.2では、社長の代替わりをきっかけに取り組んだ組織変革について深掘りしていく。


株式会社カワムラ
URLhttps://youtopia.co.jp
代表者代表取締役 川村健太
創業1918年
所在地〒078-8234 北海道旭川市豊岡4条3-7-13
取材・編集:平賀豊麻
編集・デザイン:原澤香織
ライター:金井さとこ
デザイン:安里和幸
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