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地域No1、顧客満足度No1を目指すため 徹底的にコミュニケーションロス・ミスを省く

目次

  1. 外部業者との連絡方法に対する問題意識が高まる
  2. 業務の利便性・柔軟性を高めるために施工管理アプリ ANDPADを導入
  3. 「なぜ新しいシステムが必要なのか?」その理解促進を徹底
  4. 施工管理アプリの導入 新しい取り組みに不安を覚える職人を様々なかたちでサポート 各担当にとっての導入メリットを明確化
  5. 住宅の販売シェアも顧客満足度でも地域一番を目指す

愛媛県松山市の幹建設は、住宅ブランドのサンエルホームを市内に展開する企業です。店舗支店長(当時)であった宮内様から施工管理アプリANDPAD導入の進言を受けた同社は、同年に採用を決定。社内のスタッフはもちろん、仕事で付き合いのある外部業者にも導入を提案して業務の効率化を推進しました。ITに馴染みのなかった職人に対してどのような提案を行い、どのように業務効率化を図っていったのか。ANDPAD導入の中心人物である宮内氏にうかがいました。

宮内 潤 氏
株式会社幹建設 サンエルホーム事業部 事業部長
工業高校の建築学科で学ぶ。インターンシップとして働いた幹建設の社長に誘われ、高校卒業後、同社に入社。現場監督、営業職、支店長などを歴任し、2017年4月からサンエルホーム事業部事業部長。2016年に施工管理アプリ「ANDPAD」を知り、社内外での活用を推進。

外部業者との連絡方法に対する問題意識が高まる

高校2年の時、幹建設のインターンシップに参加しました。その際、高須賀社長から「私の右腕になってくれないか」って言われたんです。今思うと、社長としては何気なくかけたリップサービスだと思うのですが、私にとってはとても印象深く、「はい、なります!」と応じて入社を決めました(笑)。

私の入社当時、当社は松山市内に3つの店舗がありました。現在は松山市内に2店舗、西条市に1店舗という構成です。これから松山市内で店舗を増やす計画もあり、近い目標としては4店舗展開となる予定です。

松山は小さい商圏ですが、住宅施工のシェアはまだまだ伸ばす余地があります。そのため、県外への出店は今のところ予定しておらず、まずは「松山市内で家を建てるならサンエルホームさんだよね」というイメージをさらに高めたいと考えています。 当社の理念は「隣人の物心両面の幸せを想うべし」。施工範囲を広げてより大きな利益を上げるというより、今のお客様を大事にしよう、隣人の幸せを考えようというのが当社の一貫した方針であり、スタイルです。

業務の利便性・柔軟性を高めるために施工管理アプリ ANDPADを導入

私の役割についてお話しすると、入社してすぐ現場監督の仕事を1年間担当しました。その後、現場の仕事にも携わりましたが、およそ10年にわたって営業職が主だったため、建設現場の実務的なレベルにまで深くは関わっていなかったのが実情です。

しかし、2016年ごろから工務部全体をみる立場になった際、10年のブランクがありましたが、外部業者との実務的なやり取りの手段がまったく変わっていなかったことに驚きました。主な連絡方法は電話かFAX、それに少しメールが加わる程度。びっくりしたというより怖いと感じたというほうが近いかもしれません。「ちょっと待ってよ、今の世の中、もうちょっと便利になっているだろう」と。

仕事の発注書は、郵送したり、取りに来てもらったりしていました。「切手代がもったいないから」と、わざわざ受け取りに来る業者の方もいたんです。専用のボックスを開けて、自分宛の発注書を持ち帰るシステムです。まれに発注書を現場監督が入れ忘れることがあり、あいさつだけ交わして帰っていただくといったケースもありました。そんなときはたたただ申し訳ないと感じていたことをよく覚えています。

当時の私はまだ店舗の支店長でしたが、協力業者との連絡方法には問題意識を持っており、その不便さを解消してくれるツールはないかと常に意識して探すようになってました。そんなとき、あるイベントに参加して出会ったのがANDPADでした。

ANDPADに触れてみると、とくに工程管理の利便性が高いと感じました。当社は年間で100棟以上建設しているので、外部業者の方々との連絡はたいへん多くなりますが、ANDPADのスケジュール管理を活用することで効率的にコミュニケーションを行うことができます。また、外部業者とのオンライン受発注といった機能もあり、利用頻度に応じて自社設定をカスタマイズできるところも魅力でした。

「なぜ新しいシステムが必要なのか?」その理解促進を徹底

建設業界は体質として古いところが残っていて、それはそれでよいところの一つでもありますが、やはり時代に合わせて変化しないといけない面もあります。ANDPADを導入することで、そうした柔軟性を社内に取り入れたいと考えました。

とはいえ、導入当初は大変でした。どの外部業者も口を揃えて言うのが「職人にスマホの使い方を覚えさせるのが難しい」というもの。ANDPAD導入から実働まで半年かかったのは、この部分をクリアしないといけなかったからです。

手順でいうと、まず当社の現場監督たちに「なぜANDPADを導入するのか」を理解してもらうことからはじめました。6人(現在は7人)の現場監督には、「LINEを使えれば大丈夫だから」と背中を押しました。現場監督は安全や品質を重視するので、慣れた道具を使いたがる傾向にあります。新しいものを取り入れる際にはポジティブな気分になってもらうことが大事で、「ANDPADの導入が多くの人の助けになる」という話を繰り返し聞かせました。



この壁を乗り越えてしまえば、のみ込みは早いです。やると決めたからには途中で投げ出さず、できるようになるまで取り組む。ここがまさに職人気質で、こちらも「お願いだから使って」と説得するのではなく、ポジティブな気持ちになってもらうように工夫して話しました。

施工管理アプリの導入 新しい取り組みに不安を覚える職人を様々なかたちでサポート 各担当にとっての導入メリットを明確化

現場監督にANDPADの導入を伝えたあと、関連する外部業者を集めた説明会を2回開催しました。開催の知らせはFAXで流したのですが、この時点で業者の皆さんには不安な感情が広まっていたようです。多かったのは、ANDPADに対応するためにガラケーからタブレットに乗り換えたものの、肝心のタブレットの使い方がわからないといった悩みでした。スマホやタブレットの使い方がわからない場合は、「使い方のわかる職人さんがサポートしてください」と伝えました。職人同士は仲がよいので、話がスムーズに進むんです。社内説明会と2回の社外説明会を経て、ようやくANDPAD導入が実現しました。使いはじめると、評判は上々でしたね。

特に良かったのは、図面の修正と確認の手間が大幅に削減できたことです。現場監督は週末が休みです。一方でお客様との打ち合わせは週末になることが多いので、打ち合わせはコーディネーターが担当します。当社のコーディネーターは全員女性で、しかも設計業務を兼ねているので、お客様のご要望に合わせて図面を修正できます。修正した図面はすぐにANDPADにアップし、修正したことをチャットに入力して完了です。これで図面の共有スピードが格段に上がりました。

以前はコーディネーターが修正した図面を現場監督がいったん預かり、確認作業を行ってから現場に反映していました。しかし、ANDPAD導入後、現場監督は図面に修正があっても会社に出てくる必要がありません、空いた時間を利用してANDPADをチェックするだけでよいので、週末は仕事に縛られずに家族との時間を楽しめます。

懸念だったFAXの枚数も減り、以前の10分の1程度になりました。結果的に、先ほどお話しした発注書の手渡し等のやりとりも少なくなったのですが、職人の方々と会って話す機会が減ってしまい、それはそれで非常にさみしい気持ちになったりします(笑)。



住宅の販売シェアも顧客満足度でも地域一番を目指す

ANDPADの導入以前は、複数の現場監督が情報を共有することはありませんでした。しかし、今では現場を誰が担当しているのか、どこまで進捗しているのかといった情報を簡単に入手できます。外部業者に発注する際も「あの人はいつ空くの?」といった情報を電話で確認する手間が省けてとても便利です。

工程管理、図面共有、情報の伝達事項…、すべての作業でスピードが上がりました。チャットに入れおくだけで関係者全員が見ることができるので、伝達忘れのような簡単なミスもありません。業務改善が進んだことで、社員の帰宅時間も早まりました。以前は夜9時ごろまで働いていたのに、今では7時ごろには帰宅できています。事務作業が簡略化されたおかげだと実感しています。

まだまだ難しいとは思いますが、私の理想は「現場監督が一度も現場に顔を出さずに施工を完了できること」です。大工、左官、電気工事技師などの職人が現場で高いスキルを発揮すれば、わざわざ監督が出張らなくても作業は順調に進みます。

現場監督はほかの仕事に従事できるので生産性がより高まります。これを実現できれば誰もが定時に帰宅できるし、現場の担当は週末を完全に休養にあてることができます。どう考えても、よいことしか浮かびません。実現までには高いハードルが待ち構えるでしょうが、社員の幸せを考えるなら目指していきたい。このように考えていくと、ANDPADを導入したデメリットはほとんど思いつかないですね。

あえて課題を挙げると、当社ではまだ営業職がANDPADにあまり関与していないことです。営業担当がANDPADを通じて現場の工程表を確認しておけば、お客様に対して「こういう工程で進んでいますから、あとこれぐらいですよ」という話もできます。世間話の一つとしてこうした会話ができると、お客様の安心感はいっそう深まるでしょう。

こうした課題を一つずつ丁寧にクリアしながら、地域で一番支持される会社というポジションを確かなものにしたいですね。販売シェアだけにとどまらず。顧客満足度でも一番高い位置に居続けることが当面の目標です。



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