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グランディハウス|北関東トップビルダーのDX 高い顧客満足と生産性、働きやすさを実現〜前編〜

ANDPADをフル活用し、年間約40棟の施工管理からマネジメントまで担う

目次

  1. 北関東トップビルダーとして高い生産性をあげ、働きやすさも実現
  2. 年間約40棟の施工管理からマネジメントまで担当する板子さん
  3. ANDPAD導入で非効率な連絡対応を脱却! 協力会社を巻き込み検査体制を構築

ANDPADの利用状況をデジタルにスコアリングし、最も活用度の高いユーザーを表彰するANDPAD AWARDのユーザー部門。2024年の1年間を通して、ANDPADの工程表機能を最も活用したユーザーを表彰する「ベスト工程表ユーザー賞」で全国第1位に輝いたのは、グランディハウス株式会社 建築部 県南建築課 主任の板子隼人さんである。

グランディハウス株式会社は栃木県宇都宮市に本社を置き、栃木県内を中心に、茨城県・群馬県・埼玉県・神奈川県へとエリアを拡大し事業展開をするビルダーだ。土地の開発・建物の設計、建築・販売・引渡し後の対応まで、一貫してグループで対応できる強みを持つ同社。1991年の設立以降、累計販売棟数は20,000棟にも及び、住宅販売ホームビルダーにおける住宅供給棟数は北関東・栃木県で12年連続1位(※1)に認定されている。

(※1)住宅産業研究所調べ。参考:グランディハウスHPより
https://www.grandy.jp/article/homebuilder_rank/

さらに、顧客のニーズを的確に捉え「安心と安全の家」「快適で健康な住まい」を提供してきた同社は顧客から高い支持を集め、「2025年オリコン顧客満足度®︎調査建売住宅ビルダー北関東」では、6年連続で顧客満足度第1位(※2)に輝いている。

(※2)参考:グランディハウスHPより
https://www.grandy.co.jp/esg/satisfy

そんな同社では、施工管理業務の属人化解消および施工管理の均一化を図り、さらなる施工品質の向上を実現すべくANDPADを導入した。活用が定着した結果、現場監督の働きやすさが向上し、残業時間を削減しつつ効率的な工程管理体制を構築。さらに、板子さんはマネジメントも担いながら、無理のない働き方で年間30〜40棟もの施工管理を担当している。

今回のインタビューには、板子さんとともに、同社の建築部 県北建築課 課長 小笠原健児さんにも同席をしていただいた。前編では、北関東トップビルダーとして、徹底した検査体制のもとグループ一貫となり顧客の暮らしを支える強みと、ANDPAD導入の経緯に迫る。続く後編では、ANDPADを活用し、工程管理からメンバーマネジメントまで担う板子さんのハイパフォーマンスを支える工程管理術や、ANDPADの活用によって得られた成果についても深掘りしていく。


北関東トップビルダーとして高い生産性をあげ、働きやすさも実現

──「ANDPAD AWARD 2025 ベスト工程表ユーザー賞」1位受賞、おめでとうございます! 貴社は北関東トップビルダーとして、これまでに20,000棟以上の住宅を販売されていらっしゃいます。貴社が手がけている事業内容について教えていただけますか?

小笠原さん: 当社は1991年の創業以来、建売および注文住宅の建築・販売を手がけてきました。新築販売のほかに、中古住宅の再生販売、不動産賃貸及び建築材料の製造販売などの事業を行っています。分譲住宅事業では、用地の開発、建設・企画、建設・施工管理、竣工・お引き渡し、アフターサービスに至るまでグループ一貫体制で対応しています。現在は栃木県内を中心に、茨城県、群馬県、千葉県、埼玉県、神奈川県とエリアを広げています。

グランディハウス株式会社 建築部 県北建築課 課長 小笠原健児さん

──貴社の家づくりにはどのような特徴がありますか?

小笠原さん: 住宅建築では、子育て世代の快適性に配慮し、多様化する働き方やライフスタイルの変化に柔軟に対応した生活様式を提案しています。グループで対応できることで、設計のご提案や住宅の販売だけではなく、メンテナンスや住み替えにおけるフォローなど、お客さまの住まい計画に必要となるサービスをすべてご提供できることが強みです。

板子さん: さらに、当社では近年働き方改革にも力を入れており、DXや分業化など取り組みを重ねています。その結果、栃木県が主催する「男女生き活き企業表彰」(大企業部門)においても優秀賞を受賞するなど、働き方改革やダイバーシティ推進の取り組みが高く評価いただくようになりました。完全週休2日制を実現し、年間休日は124日、平均残業時間は月14時間程度です。

グランディハウス株式会社 建築部 県南建築課 主任 板子隼人さん


年間約40棟の施工管理からマネジメントまで担当する板子さん

──改めて、今回の受賞のご連絡を受け、どのようなお気持ちでしたか?

板子さん: 日頃からANDPADの工程表を活用していましたが、特別なことはしていませんでした。ですので、最初に報告を受けたときは、「何のことだろう」と。それほどまでに活用していたということがわかって驚きました。会社のなかでも、自分が特に熱心に工程表を更新しているという自覚もなかったんです。

小笠原さん: こうした表彰は励みにもなりますよね。板子さんと私は別の課なのですが、メンバーを鼓舞するために受賞の報告をしました。板子さんは、社内からの声としても、現場状況に即したまめな工程表の更新や、協力会社さんへの適切な通知が行えていると聞いています。

──普段のお仕事にANDPADが根付いていらっしゃることが伺えます。おふたりの現在の業務内容とご経歴もそれぞれ教えていただけますか?

板子さん: 高校生の頃くらいから建築に興味を持ち始め、大学で建築を学びました。就職活動を行うなかで、住宅業界は個人のお客様の暮らしに深く携わることができると実感し、魅力を感じるようになりました。そこで、出身の栃木県で知名度の高い当社に入社し、入社以降は施工管理業務を担当しています。分譲住宅を担当しているので、お客様とお目にかかるのは引き渡し時になります。そのときに自信を持って引き渡したいと思っていますし、お客様に笑顔になっていただけると携わることができて良かったなと感じます。

──年間でどのくらいの棟数を担当なさっているのでしょうか。

板子さん: 年間で35〜40棟を担当しています。入社4年目から、そのくらいの棟数を担当しています。私が所属する建築部には現在70名ほど在籍しており、そのうち施工管理担当は60名です。

小笠原さん: 当社では、年間40棟の上限を目安としています。板子さんもそうですが、年次が上がるにつれてメンバーマネジメントや教育という役割も担うようになるためです。板子さんの場合は、協力会社さんの割り振りも担当しています。

──協力会社さんの割り振りは、信頼関係を構築しながら、スケジュール調整やトラブル対応、コスト管理までもを考えなければならないですから、最適な割り振りには経験や知識が不可欠だと推察します。年間約40棟の施工管理とメンバーマネジメント、協力会社さんの割り振りを担当されているとなると、かなりお忙しいのではないでしょうか?

板子さん: それでも、完全週休2日制なので、土日は極力休んでいます。基本的に土曜に引き渡しの立ち会いはせず、土日に立ち会いになる場合は振替休日をとっています。とはいえ工事進捗次第では、現場は土曜日も稼働していることもあります。私は常に15棟ほどの案件を同時並行して管理していることもあり、金曜日の夜までに各現場の進捗を確認し、その週に対応すべき打ち手を講じておかないと、その皺寄せが次の週以降へ持ち越され、工期の遅延にもつながりかねません。土日をしっかり休むためには、平日の工程管理の重要性を感じています。

──ハイパフォーマーでありながら、土日はしっかりと休んでメリハリを持ってお仕事されているとのこと素晴らしいです! 続いて、小笠原さんのご経歴も教えていただけますか?

小笠原さん: 私は16年間、いくつかの住宅メーカーで施工管理の仕事に従事したのちに、2010年に中途採用で入社しました。これまでは注文住宅を手がけてきましたが、「分譲地」という単位でのまちづくりに挑戦したいと思ったんです。

注文住宅は、お客様のご要望とご予算をもとに設計するため、いわゆる「型」がありません。お客様のご希望通りに自由な家づくりができますが、周囲の街並みとは馴染まないケースもあります。周囲との調和を考えると分譲住宅にはメリットがあります。分譲は型化できますし、お客様のニーズに合った住宅を提案できます。施工マニュアルもしっかりしたものができ、業務の平準化もしやすいことも強みです。

現在の役割としては、基幹システムとANDPADの連携や運用方法の策定などを担当しています。

──品質管理にも尽力されており、21項目の検査体制があると伺いました。検査に関しても、施工管理担当の方々が行うのでしょうか?

板子さん: はい、施工管理担当が現場へ出向いて検査を行なっています。分譲住宅は施工段階ではまだ購入されていない場合もあります。検査を行う際には、完工後には見えない隠蔽部も、できる限りお客様目線で細かくチェックすることを心がけています。当社では、30年サポートシステム(無償建物診断)と20年保証システムがあり、引き渡し後3ヶ月目までは私たち施工管理担当が対応し、以降はグループのリフォーム担当者に引き継いでいます。


ANDPAD導入で非効率な連絡対応を脱却! 協力会社を巻き込み検査体制を構築

──貴社では2022年からANDPADを導入してくださっています。人手不足と施工管理業務の属人化解消と、施工管理の均一化による施工品質の向上を掲げてご導入いただいたとのことですが、活用による効果は感じられていますか?

板子さん: ANDPADの導入前は、他の現場管理アプリや社内の工程管理システムを使っていたんです。しかし、以前のツールの工程表は工事の出戻りや日程の誤りなどが発生し、施工管理がしづらい状況でした。さらに、工程表の作成や更新時には協力会社さんへメールやFAX、電話で連絡する必要があり、それによる残業時間も増大していたんです。ANDPAD導入後はリアルタイムで工程表が更新され、それが自動で通知もされるので、直近の予定変更に関する連絡のみで済むようになり、連絡の手間は削減されました。

──普段のお仕事で、ANDPADをどのようなデバイスでご利用いただいていますか。

板子さん: 事務所で作業する際はPC、現場での工程確認や軽微な工程変更を行ったりする際にはタブレット、現場写真を撮る時にはスマホ、とシーンや用途でデバイスを使い分けて便利に活用しています。

PCのタスクバーには、すぐに開けるようにANDPADをブックマークしています。担当している進行中の現場の数だけANDPADタブを開き、いつでも確認できるようにしています。

──貴社では、2023年にANDPAD検査もご導入いただきました。先ほど、21項目の検査は施工管理担当者様が現場で行うとのことでしたが、そこでもANDPAD検査を活用いただいているのでしょうか。

小笠原さん: はい、これまでも検査を重視してきましたが、2025年から検査体制をより一層強化しました。以前は紙形式の検査用紙を用いて手書きでチェックをし、別で写真を撮影し保存していたので、手間がかかっていました。それがANDPAD検査を活用するようになってからは、チェックから撮影、写真の添付までが一括でできるようになったので、かなりの負担軽減につながっています。

──写真は一棟につき何枚ぐらい撮るのですか?

板子さん: 21項目の検査全体では100枚から150枚くらいですね。1検査あたり5〜6枚から、多いときは40〜50枚撮る検査もあります。一番多く撮影するのは上棟検査です。フレーマーさんが建てた後の躯体検査時に撮影します。加えて、協力会社さんの受け入れ検査など、他の機会にも撮影していただくので、一案件あたりの写真は600枚ほどになります。

協力会社さんのお力も借り、ANDPAD検査を活用して当社のチェックリストをもとに検査をしていただき、写真撮影もお願いしています。それを施工管理担当に提出いただいている形です。

──協力会社さんも巻き込みながら、多くの写真を撮られるのですね。ANDPAD検査を活用して撮影した写真は、お施主様に提出するための台帳にも活用なさっているのでしょうか?

板子さん: いえ、写真はお客様への提出用として撮影しているわけではありません。あくまで品質管理の目的で行っている社内用のものです。品質管理を徹底していますが、万が一の不備やお問い合わせなどが起こったときに備え保管しています。これまで、写真は撮影後に整理する必要がありましたが、今はANDPADの案件の中の写真フォルダに収められるので、管理もしやすくなりました。

 

名実ともに北関東トップビルダーの地位を築き上げてきた同社。「真摯に挑戦する」という社訓のもと、品質担保に真摯に向き合い、協力会社も巻き込み徹底した品質管理を実現してきた。一方、高い基準を求められれば工程管理者の仕事の難易度も上がらざるを得ないだろう。後編では、ANDPADを活用し、板子さんがハイパフォーマーとして高い生産性とメンバーマネジメントをこなしながら、さらには無理のない働きやすさをも実現しているノウハウに詳しく迫っていく。

グランディハウス株式会社
URLhttps://www.grandy.co.jp/
代表者代表取締役会長 林裕朗
設立1991年4月
本社栃木県宇都宮市大通り4丁目3番18号
取材・編集:平賀豊麻
編集:鯉沼愛実・原澤香織
執筆:フェリックス清香
デザイン:森山人美、岩佐謙太朗
お客様担当:渡邊泰右、小鹿椋介
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