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2024年11月19日、当社オフィス9FのANDPADコミュニティにて、第1回「DX推進者/経営管理幹部限定Meet Up-住宅事業者-」をオフラインで開催し、住宅分譲事業者様を中心に全国から10社23名が集いました。
本イベントは、住宅領域にてDXにミッションを持ち、日々の業務改善やANDPADの活用推進に取り組まれている「DX推進者」および「経営管理幹部」を対象としたコミュニティイベントです。ANDPADの活用事例の紹介や意見交換を通じて相互に学び合い、共有したナレッジやエネルギーを次なるチャレンジに活かしていただく場をご用意しました。
住宅領域において初の開催となる今回は、リストホームズ株式会社様、大英産業株式会社様が登壇。それぞれ分社化と再統合、M&Aといった組織の変革を軸に、ANDPADの導入や活用浸透にあたっての道のりや苦労までリアルな語りでの事例を共有いただきました。ワークショップでは、グループディスカッションを実施し、デジタルを活用した自社での取り組みについて活発な意見交換がなされました。
参加者からは「他社のDXに関する課題と取り組みをリアルに聞くことができ、異なる視点を得ることができた」「今後自社でANDPADをどのように活用していくべきなのかイメージが具体的になった」などの感想が寄せられました。本記事では、イベントの様子をお届けします!
ANDPADユーザーが相互に学び合い、次なるチャレンジのヒントや活力を共有するMeet Upイベント
ANDPADユーザーが相互に学びえるコミュニティを作り、届け、共に育むことで、業界のDX推進やユーザーの皆さまのビジネスのさらなる成功に貢献したいという想いのもと企画したMeet Upイベント。イベント冒頭では、アンドパッド ハウジングカンパニー本部 執行役員の渡部耕太郎がご挨拶。本イベントの開催趣旨について語りました。
渡部: ANDPADは、業務の効率化や経営改善を支援するツールとして皆さまにご活用いただいています。しかし、描く先はそれだけではありません。私たちは、ANDPADを共通のプラットフォームとして、ユーザーの皆さまがつながり、交流することでDXへの新たな学びや気づきが生まれる場を目指し、このイベントを立ち上げました。この場から広がるノウハウやヒントが次なるチャレンジへのエネルギーとつながっていくことを願っています。さらに、社内外での導入定着や稼働管理を超えて、ANDPADが生み出す価値を最大限に活用した成功事例を共有することで、住宅業界全体がさらに発展していけるようお手伝いしていきます!
ANDPAD ONE編集部より
当社では、これまでに専門工事事業者様や都市ガス事業者様を対象としたコミュニティイベントを開催してきました。詳細はそれぞれの開催レポートをご覧ください。
・第1回「DX推進者Meet UP–専門工事事業者–」開催レポートはこちら
・第1回「DX推進者Meet Up-地域専門工事事業者-」開催レポートはこちら
・第2回「都市ガス事業者向け 意見交換会」開催レポートはこちら
リストホームズ様の事例|「現場に行かない」現場管理により業界未経験者でも工程管理ができる体制をANDPADで構築
登壇企業1社目は、リストホームズ株式会社様。同社住宅事業部 兼 建設事業部 兼 販売推進部 部長の伊藤駿さん、建設事業部 課長の小林剛さんに登壇いただきました。
国内外で不動産事業を総合的に展開するリストグループの一員として、用地仕入れから開発・造成、戸建住宅の企画・設計・施工までを自社一貫体制で対応しているリストホームズ株式会社様。
2016年、リストグループはホールディングス経営に移行し、不動産部門と建設部門が分社化。これにより建設部門の赤字体質が浮き彫りになったといいます。そこで、販管費削減と生産性の向上を目指し、ANDPADの本格運用に乗り出した同社。ANDPADの運用ルールを緻密に設計することで、「現場に行かない」現場管理を実施し、現場監督業務を「フォアマン」・「ディレクター」へと分業化。業界未経験者でも工程管理ができる体制をANDPADとともに整えました。
その後、2022年に2社は再び統合。ANDPADによって、用地仕入れから造成、施工までの一連の流れを「見える化」し、ビジネスモデルや組織、働き方、人材活用のあり方を大きく変えていきました。
ANDPAD ONE編集部より
同社の取り組みは、ANDPADを利用してDXを実現する先進的な企業や、ANDPADの利用度の高いユーザーを表彰する「ANDPAD AWARD」にて入賞を果たしました。
同社の取り組みを特集した記事はこちら
ANDPAD AWARD 2023「DXカンパニー部門」「住宅× 売上10億円以上」カテゴリ入賞後の現在地として、現場訪問回数のさらなる削減を目指した取り組みを紹介した同社。職人さんからの撮影報告が不足しそうな現場については、スポットワークシステムを活用し、施工現場の近隣ワーカーに撮影を代行することで、是正確認のために監督が現場に足を運ぶ機会の削減にもつなげました。
さらに、現場カメラを導入し活用浸透に取り組んでいる同社。現場の状況をリアルタイムに共有した工程管理や現場への追加変更依頼ができることによる業務効率化や、撮影動画・写真を活用した若手人材の教育、さらには技術の蓄積による施工のクオリティアップを目指しているそうです。
発表後には、会場の参加者からたくさんの質問が上がりました。「DX以後、監督の現場訪問回数が減ったことで、大工さんや協力会社さんから不満は出ていないのか」「分業化により、知識や業務に関しての深い理解を得る経験をどのようにリカバリしているのか」「効率化を維持するためのルール作りや組織全体での浸透プロセスとは」など踏み込んだ質疑応答がなされました。
大英産業様の事例|地道なフォローの徹底により、ANDPADでのオンライン受発注率90%以上、M&A後のデータの一元化を実現
登壇企業2社目は、大英産業株式会社様。同社建築本部 本部長 宇留嶋栄治さん(現:株式会社DAIEIアーキテクツ 代表取締役社長)、建築本部 工事部 北九東部建築課 課長 中島博之さんに登壇いただきました。
マンション事業・戸建事業・不動産流通事業・街づくり事業・再開発事業を幅広く手がけ、2023年の新築マンション供給・販売ランキングでは九州・山口エリア1位、戸建着工棟数ランキングで北九州エリア11年連続1位を誇る地域トップクラスのビルダーである大英産業株式会社様。
監督業務において、発注・検収・請求を分業化していた同社。月末には買い物かご2杯分もの請求書処理で、他の業務にはまったく手がつけられない状態だったといいます。そこで、ANDPAD受発注を導入し、未経験人材でも無理なく分業化した仕事を担える環境を構築。その結果、「オンライン受発注率90%以上」を実現し、請求期限の2日程前には処理が終わり、ゆとりを持って通常業務に戻れるように。ANDPAD受発注の活用浸透にあたっては、協力会社さんへの地道なフォロー体制により、早期の利用定着を実現できたと語りました。
2023年7月には、熊本県を中心に住宅建築販売事業を展開する株式会社イワイホーム様、有限会社小岩井ドリーム様の事業を譲受。M&A後のPMIにおいて、ANDPADを活用し情報の引き継ぎ、業務フローの整備を行なった同社。その活用浸透にあたっては、イワイホーム様の従業員および協力会社さんがANDPADユーザーであったため、ANDPADがデータや業務の統合プロセスの基盤となりました。しかし、イワイホーム様でのANDPADの活用は道半ばであったことから、協力会社さんを巻き込んだ説明会の開催など、運用を軌道に乗せるまでには苦労もあったことを明かしました。
ANDPAD ONE編集部より
同社の取り組みは、ANDPADを利用してDXを実現する先進的な企業や、ANDPADの利用度の高いユーザーを表彰する「ANDPAD AWARD」にて入賞を果たしました。
同社のANDPAD受発注を活用した取り組みを特集した記事はこちらさらに、「次世代の働き方」をテーマに据えたカンファレンス「ANDPAD ONE CONFERENCE 2023」では、同社のM&A成功のカギとなるANDPADでの情報一元管理について詳しくお話いただいています。
同社のM&A戦略とデータ経営の取り組みを特集した動画はこちら
2024年11月には、大英産業グループとして新たな事業領域の拡大を目指し、新たに子会社である株式会社DAIEIアーキテクツを設立。今後同社では、地元企業への設計・建築・建築監理などのサービス提供を行うにあたり、2025年1月の事業開始に向け準備が進められているそうです。
発表後の質疑応答では、参加者から多くの質問が上がりました。「一人親方など高齢者の職人さんの比率が高いなかでも電子受発注を達成できたポイント」「電子発注後の経理システムとの連動や互換性」「協力会社さんにどのようにANDPADの利便性を伝えたか。反発への対応策や説明会の工夫」「現場監督の業務負担削減にあたり、分離可能な業務の仕分け」など踏み込んだ質疑応答がなされました。
誰もが誰かの先生になれる 自社のDX事例を相互に学び合うワークショップ
事例発表後には、参加者とアンドパッド社員でグループに分かれワークショップを実施しました。
ANDPADの導入・活用の足跡を振り返っての“しくじり”エピソードの共有では、「うちも今、同じような状況で悩んでいます」と共感の声を上げる参加者の姿もありました。「ANDPADの工程表の活用浸透に取り組んでいるので、他社の事例から学ばせていただけたらと思います」と積極的に自社の取り組みに活かそうとする参加者も見られ、苦悩を共有しあい、学び合う時間となりました。
その後、ANDPADなどのデジタルツールを活用し、「現在取り組んでいるテーマ」「今後取り組みたいテーマ」についての意見交換がなされました。「誰もが誰かの先生になれる」をコンセプトに据えた本ワークショップ。「現在取り組んでいるテーマ」「今後取り組みたいテーマ」について事前に参加者へ回答を募り、参加者同士でそれぞれのテーマが重なり合うよう席次でグループディスカッションをしました。参加者がこれから取り組みたい内容を発表すると、グループ内から「そのテーマ、うちで取り組んだことがあります」などと具体的な経験に基づくアドバイスやノウハウが寄せられるという仕組みです。
例えば、「受発注を紙で行っているのを改善したい」という声に対して、実際にANDPADで受発注を導入した企業から「導入初期は、紙での受発注をやめANDPADで受発注する案件を明確に決めました。その範囲を広げていった結果、少しずつですが浸透が進んでいきました。職人さんや協力会社さんにもANDPADを利用することで得があることを知ってもらうことが重要です」というアドバイスがありました。
時間が足りなくなるほど活発に意見交換がされ、参加者同士が実践的なノウハウをシェアし、自然と教え合い、学び合う空気が生まれていました。
DXを合言葉に、会社の垣根を超えて熱量が伝播する
ワークショップを経てすっかり温まった雰囲気の会場。その後の懇親会では、ワークショップで話し足りなかった時間を埋めるように盛り上がりを見せました。発表企業の登壇者に対して、「リアルな話が聞けて参考になりました」と感想を伝える参加者や、「うちも今同じ局面にいるのですが、何から改善していけばいいでしょうか?」など、自社の悩みを打ち明け意見をもらう参加者の姿も。DX推進者、経営管理幹部同士で会社の垣根を超えたコミュニケーションがなされ、盛況のうちに幕を閉じました。
イベント後、参加者からは以下のような熱のこもった感想が寄せられました。
- 生産性向上の仕組みづくりやANDPADの活用事例、生産性向上への熱意など学ぶ点が多くあった。
- DXや効率化を『何を』『どこまで』やったのか、導入経緯や弊害となったもの・こと、浸透のための工夫などがわかりやすかった。
- 他社も同じような悩みを抱えていていることを感じ、自社の取り組みのヒントとなった。
- 共通のツールを利用する企業同士の新たな交流が生まれ、成功事例や課題への取り組みを具体的に聞くことができた。
各社の取り組みをリアルな体験談として共有できることは、DX推進に日夜奔走される皆さまにとって大きな励みとなり、次のステップへの背中を押す力になるのではないでしょうか。さらに、会社の垣根を越えて同じ課題に向き合う仲間と出会えることは、業界全体でのDX推進につながる大きな可能性を感じさせる瞬間でもありました。
参加者からは、「DXや効率化の先には、育成や経験値の課題もある」という意見も寄せられ、今後の企画の参考になるテーマをいただきました。今後もこうしたご意見やご要望をもとに、皆さまの業務改善の取り組みのヒントとなり、業界全体の発展に寄与すべくイベントを開催していきますのでどうぞご期待ください!
URL | https://www.daieisangyo.co.jp/ |
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代表者 | 代表取締役 一ノ瀬 謙二 |
設立 | 1968年 |
本社 | 北九州市八幡西区下上津役4-1-36 |
URL | https://listhomes.jp/ |
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代表者 | 代表取締役 杉本 敦史 |
設立 | 2017年 |
本社 | 神奈川県横浜市中区尾上町4-47 リスト関内ビル |