1960年に創業以来、住宅建築を中心に住宅のプロフェッショナルとしての提案で、地域に末永く愛され続けている株式会社岩切建設。“未来の子供たちのために、子供たちの未来のために”をモットーに、同社が手掛ける年月が経ても安心して末永く暮らせる高性能かつ高品質な住まいは定評がある。今回は、専務取締役・日野靖徳氏に、同社の特徴や強み、ANDPAD導入の経緯と導入後の変化、今後の展望についてお話を伺った。
現場の統括責任者かつ社員育成がミッション
――まず、日野様が岩切建設にご入社されたきっかけとご来歴について教えてください。
幼い頃からものづくりが好きだったので、将来は大工を目指していました。専門学校卒業後、岩切建設の社員と知り合ったことがきっかけで、現場監督として入社。希望していた職種ではありませんでしたが、職人さんとのコミュニケーションを大切にしながら、お客様の一生のお買い物をサポートできるところにやりがいを感じていますね。主に公共建築を担当していたので、住宅に関わるようになったのは最近のことです。
2020年に専務になってからは、現場の統括責任者かつ社員育成がミッションに。現場が好きなので、今も現役の現場監督でもあります。
岩切建設の魅力はスタッフにあり
――入社以来27年間、岩切建設一筋とのことですが、御社の魅力について教えてください。
当社の強みはスタッフ。上下関係というよりもサポートし合うスタンスなので、とてもアットフォームな雰囲気があるところが魅力です。社長の岩切は「学び」を大切にしており、全社員が1年に一つ資格を取るというお題があります。資格は住宅関連でなくてもOK。社員はただやらされているのではなく、社長の方針に共鳴して、自発的に意志をもってやっています。結果的に住宅関連はもちろんさまざまな分野の知識が身に付くので、お客様との会話や家づくりにも役立っていますね。お客様にとっても資格保有者ということが安心材料にもなるので、資格は大切なものだと考えています。
また、スタッフブログを全社員持ち回りで担当しているのですが、ブログがきっかけで当社に興味をお持ちになったお客様からお問い合わせをいただくことも。会社の雰囲気を感じ取ってくださっているようです。
――資格取得のお話がありましたが、御社には古民家鑑定士の方が数名いらっしゃいますね。古民家を手掛けることも多いのでしょうか? また、御社の家づくりの特徴や強みについて教えてください。
高鍋町は江戸時代に城下町として栄え、全寮制の藩校・明倫堂で人材育成に力を注いだ歴史と文教のある町。今でも古民家などが建ち並ぶ町並みが残っています。古民家の需要自体もありますし、高鍋町の文化を継承していくためにも、古民家再生も手掛けています。
また、宮崎県は日本一日照時間が長く、住宅の太陽光パネルの搭載率が高いなど、気候風土に恵まれているエリア。寒冷地に比べれば、高い住宅性能をあまり必要としない気象条件ではあるのですが、それでもSW工法やZEHなど性能基準が高く、高品質の住宅を提供し、お客様に安心して住んでいただける家づくりにこだわっています。
ANDPAD導入の背景・課題
――ANDPAD導入の背景には、どんな課題があったのでしょうか?
数年前から人手不足が課題で、採用活動をしても労働条件を懸念されて思うように新規採用ができていませんでした。そこで、2年前に働き方改革として週休2日制を実施。休日をしっかり自分の時間に充ててリフレッシュすることで、業務効率を上げられるのではという狙いもありました。
しかし、休日を増やしたことで業務が圧迫され、現状の現場管理方法の見直しが必要になりました。また、見積書、図面などが関係者にうまく共有できず、無駄なコストになっているという課題も。こうした無駄を簡素化するシステム・ツールの必要性を感じ、ANDPADの導入を決めました。
ANDPAD導入後、現場監督の業務効率化が実現
ANDPAD導入後は、現場監督の業務効率が上がったことを実感しています。従来現場監督がやっていた写真撮影を職人さんに担当していただき、ANDPADで報告を上げてくれるようになってきたという段階です。今後は写真撮影についても、現場監督の知見をきちんと型化して職人さんから適宜写真を上げていただける状態にする必要があると考えています。
週休2日制を導入後も、現場監督は休日の現場状況が気になり現場を見に行ってしまったり、図面や仕様に変更点があるたびに現場に駆けつけることも。ANDPADにアップすれば必要な情報がすぐに関係者に共有できるようになってきたので、今後はANDPADの活用を進めて休日を心置きなくしっかり休んでもらえるようにしていきたいですね。
今年、来年と新入社員の採用ができ、少しずつ働き方改革の効果も出始めたところです。
今後の目標
――最後に、今後の目標について教えてください。
現在はANDPADを導入したばかりなので、まだまだこれから。ツールは使わないと意味がないので、職人さんも含めてANDPADを使うことが当たり前になる世界をつくりたいです。今後棟数を伸ばして成長していくためには、まず従業員が働きやすい環境を整えたいですね。それが一番の近道ですから。
また、最近では土地から探されるお客様も多く、お申込みをいただいても土地待ちの状態で進まないケースが増えているのも課題。安定的な着工枠の管理を実現するためにも、業務効率化によってできた時間を利用して、営業スキルの強化をはじめ自社大工の育成など人材育成に力を入れたいですね。
そして、当社の強みである品質・性能面を更に強化するために、検査、アフターサービスなど、現在外部に委託している業務を自社に一元化させ、よりお客様に自信を持ってご提案できるようにしていきたいです。特にアフターサービス面では、いかにOBのお客様からのリフォームの受注をいただけるかが課題。現状リフォームは新規顧客がほとんどを占めているため、OB様からの受注を伸ばしていけたら。そのためにも顧客管理から見直し、しっかりとお客様との関係性を構築できる基盤をつくりたいです。
URL | https://iwakiri-kensetu.jp |
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代表者 | 代表取締役社長 岩切 洋 |
設立 | 1960年4月 |
所在地 | 〒884-0005 宮崎県児湯郡高鍋町大字持田1582番地 |